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子どものまちのつくり方 明石市の挑戦 泉 房穂(著) - 明石書店
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子どものまちのつくり方 明石市の挑戦 (コドモノマチノツクリカタアカシシノチョウセン)

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発行:明石書店
四六判
216ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-7503-4788-2   COPY
ISBN 13
9784750347882   COPY
ISBN 10h
4-7503-4788-4   COPY
ISBN 10
4750347884   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年2月10日
書店発売日
登録日
2019年1月25日
最終更新日
2019年2月13日
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書評掲載情報

2019-02-24 毎日新聞  朝刊
評者: 藻谷浩介(日本総合研究所主席研究員)
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紹介

公共事業やバラマキはいらない。子どもを核としみんなにやさしいまちづくりが人口・財政・経済の好循環を創る。発想の転換で旧弊を廃した自治体経営、持続可能でユニバーサルな施策で時代を先導する明石市長が描く誰ひとり置き去りにしない共生社会の未来図。

目次

 はじめに

序章 いま、明石が熱い
 1 まちの好循環の拡大へ
 2 五つのV字回復~人口も、出生数も、税収も~
 (1)定住人口
 (2)交流人口
 (3)出生数
 (4)市税収入
 (5)地域経済
 3 持続可能なまちづくり
 4 自治体経営四つのポイント
 (1)市民とのビジョンの共有
 (2)時代に応じた予算のシフト
 (3)適時・適材・適所の組織人事
 (4)広報戦略

第1章 子どもを核としたまちづくり
  責任を負うのは社会全体
  子どもは親の持ち物ではない
  子ども医療費を所得制限なしで完全無料化
  第2子以降の保育料完全無料化
  保育は質も量も担保する
  教育環境もきめ細やかに充実
  すべての子どもの育ちを支援
  「子ども」がまちの発展に

第2章 すべての子どもたちを、まちのみんなで
  子どもに冷たい国=日本
  離婚後の子ども養育支援
  無戸籍者への支援も
  児童扶養手当を毎月支給に
  本気で子どものまちをつくる
  気づきの拠点・こども食堂を全小学校区に
  早期支援を総合支援につなげる
  児童養護施設は、まちなかに
  里親100%を目ざして
  児童相談所はまちづくりのシンボル
  将来を見据えた総合的支援
  本気で子どもに向き合う覚悟を

第3章 やさしい社会を明石から
  障害も責任も社会の側にある
  胸を張って手話を使える社会に
  ろう者の市議会議員誕生
  当事者が主人公
  合理的配慮の提供支援でまちの風景が変わる
  障害者団体が一つの組織に
  まちを挙げてホームドア設置へ
  すべての市民を、まちのみんなで
  被害者支援と更生支援は車の両輪
  当事者目線の犯罪被害者等支援
  つなぐ、ささえる、ひろげる
  「おかえりなさい」が言えるまち
  やさしい社会を明石から

第4章 本のまち、明石
  駅前に本の拠点をつくる
  本で会話がはずむ空間
  本でまちは活性化する
  いつでも、どこでも、誰でも、手を伸ばせば本に届くまち
  本に親しむ気運づくり
  財政が厳しいときこそ本に予算を
  「本」はまちの発展に

第5章 発想の転換による自治体経営
  広く世界に我がまちを位置づける
  市民に最も近い行政は「市」
  その施策に普遍性はあるか
  日本の近代化にみる時代の変化
  二層構造と三層構造の都市制度
  大家族制・村社会のセーフティネット
  四つの要素はすべて変化した
  リアルな標準家庭像を持つ
  国に頼らない自立した財政
  組織再編で体質改善
  無駄の削減とコスト感覚
  「公」を担う心のあり方

対談 オール・フォー・オールのまちはつくれる〔井手英策×泉房穂〕
  必要充足型社会のトップランナー・明石市
  〈共感〉を〈共在感〉に変えるために
  支え合いのまち・明石の現在
  プライオリティ予算が可能なわけ
  公共事業にお金を出さない、選ばれるまちをつくればいい
  みんなが幸せになれる税負担のあり方
  子どもに向き合うことは、みんなに向き合うこと
  所得制限No!に民意は変わった
  分断を生む現金給付、共感と公正の現物給付
  誰も排除しないまちづくり
  「オール・フォー・オール」で危機の時代を切り開け

 おわりに

前書きなど

はじめに

すべての子どもたちを
まちのみんなで
本気で応援すれば
まちのみんなが幸せになる

 その思いで、市長として、明石のまちづくりをやってきました。
 対象は、「すべての子どもたち」です。誰ひとりとして置き去りにはしません。戸籍がなく暮らしている子どもも含め、99%ではなく、100%です。たった一人の子どもも見逃しません。ましてや見捨てたりはしないのです。また、所得制限という名のもとに、親の収入の多い少ないによって、子どもたちを勝ち組と負け組とに分けたりもしません。子どもは親の持ち物ではないのです。子どもをその親によって判断したりはしません。対象は、あくまでも一人ひとり顔も違うまさにその「子ども」なのです。
 主体は、「まちのみんな」です。子どもをその親任せにしたりはしません。行政も地域も一緒になって、まちのすべての子どもたちを支えるのです。何度も言いますが、子どもはその親の持ち物ではないのです。親が自由にしていいものでもなく、また、親だけに責任を負わせていいものでもありません。親任せにしてしまっているから、不幸な事件が繰り返されてしまうのです。明石市では、こども食堂も、28ある全小学校区ですでに立ち上がり、里親も、どんどん増えていっています。子どもたちを支えるのは、まさに「まちのみんな」なのです。
 姿勢は、「本気で応援」です。日本社会は、子どもたちにあまりにも冷たすぎます。子どもの貧困とは、子どもたちに対する政治の貧困です。子どもをネグレクトしているのは、その親だけではありません。社会そのものが子どもたちをネグレクト、すなわち放置しているような状態です。明石市では、私が市長に就任してから、子どもに関する予算を2倍に増やしました。子どもを担当する職員数も3倍に増やしました。児童相談所も明石市独自でつくり責任を果たします。明石市は、子どもたちに本気で向き合っているのです。
 効果は、「まちのみんなの幸せ」です。人口減・少子化・財政難の時代に、明石市は今、6年連続の人口増、4年連続の出生数増です。税収も貯金も増えていっています。地域経済も潤ってきました。それは、明石市が「すべての子どもたちを、まちのみんなで、本気で応援する」まちだからです。そんな明石市に住みたい、そんな明石市なら二人目も可能だ、そんな明石市でお店を開きたい、そう思ってもらえるまちになったからです。子どもたちを応援することは、子どもたちやその親のためだけではありません。まちの未来のため、すなわち、「まちのみんなが幸せになる」ためでもあるのです。子どもたちに寄り添えるまちは、高齢者や障害者や犯罪被害者をはじめ、すべての市民に寄り添えるまちでもあるのです。
 この本のタイトルは、『子どものまちのつくり方 明石市の挑戦』ですが、私の思いとしては、「みんなが幸せになるまちのつくり方 全国のどのまちでもできること」と、まったく同義です。
 お読みいただければ幸いです。

著者プロフィール

泉 房穂  (イズミ フサホ)  (

1963年明石市二見町生まれ。
82年明石西高校を卒業し、東京大学に入学。
東大駒場寮の委員長として自治会活動に奔走。
87年東京大学教育学部卒業後、NHKにディレクターとして入局。
NHK退社後、石井紘基氏(後に衆議院議員)の秘書を経て、司法試験に合格。
97年から庶民派の弁護士として明石市内を中心に活動。
2003年、衆議院議員となり、犯罪被害者基本法などの制定に携わる。
11年明石市長選挙に無所属で出馬し市長に就任。
全国市長会社会文教委員長。社会福祉士でもある。
柔道3段、手話検定2級、明石タコ検定初代達人。

上記内容は本書刊行時のものです。