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地中海を旅する62章 松原 康介(編著) - 明石書店
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地中海を旅する62章 (チチュウカイヲタビスルロクジュウニショウ) 歴史と文化の都市探訪 (レキシトブンカノトシタンボウ)

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発行:明石書店
四六判
400ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-4784-4   COPY
ISBN 13
9784750347844   COPY
ISBN 10h
4-7503-4784-1   COPY
ISBN 10
4750347841   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年2月10日
書店発売日
登録日
2019年1月25日
最終更新日
2019年2月13日
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紹介

地中海沿岸の欧州、アフリカ、中東の各都市をめぐり、その街の成り立ちや文化の魅力を紹介。古来より様々な人とモノが行き交う文明の十字路であり、まばゆい色彩を放つとともに陰の部分をあわせ持つ多様な空間を描き出し、新たな地中海世界へと読者を誘う。

目次

 まえがき


第Ⅰ部 洋の東西を分かつ――エーゲ海

1 アテネ〈ギリシャ〉――光とかげの錯綜する都市
2 ロドス〈ギリシャ〉――「太陽とバラの島」に残るヨーロッパ中世の街並みと文化の重なり
3 アイヴァルック〈トルコ〉――エーゲ海の桃源郷
4 イズミル〈トルコ〉――分断の解決か、都市の保全か、大火後の都市再生
 [コラム1]フランスの建築家・都市計画家アンリ・プロスト
5 ティレとその周辺〈トルコ〉――アイドゥン君候国の足跡が残る町


第Ⅱ部 東方への玄関口――アドリア海

6 ヴェネツィア〈イタリア〉――周辺地域に支えられて形成・発展したヴェネツィアの側面
7 トレヴィーゾ〈イタリア〉――素朴な町の多様な水辺空間
8 ベッルーノ〈イタリア〉――山の小さなヴェネツィア
9 ウルビノ〈イタリア〉――歴史と自然が育んだ理想都市
 [コラム2]ウルビノのコミュニティ・アーキテクト G・デカルロ
10 スプリト〈クロアチア〉――にぎやかな廃墟
 [コラム3]フヴァル島のスターリグラード平原
11 ドゥブロヴニク〈クロアチア〉――アドリア海の都市国家とユーゴ内戦
12 コトル〈モンテネグロ〉――港の奥に佇む街
13 ティラナ〈アルバニア〉――開発の進む首都の街歩きから


第Ⅲ部 ローマからプロヴァンスへ

14 ローマ〈イタリア〉――フォロ・ロマーノからカンピドーリオ広場への道
 [コラム4]理想都市――その出発点ピエンツァ
15 ピ サ〈イタリア〉――川の港町から学術都市へ
16 フィレンツェ〈イタリア〉――近代と観光が洗練させる都市文化
 [コラム5]レオン・バッティスタ・アルベルティ――万能の天才と地中海世界
17 ジェノヴァ〈イタリア〉――迷宮の港町と栄光の近代
 [コラム6]上質で洗練された北イタリアの農泊、アグリトゥーリスモ
18 旧市街ル・ロシェ〈モナコ〉――タックス・ヘイヴンの地に中世のおもかげを求めて
19 サン=トロペ〈フランス〉――土地のポテンシャルとリゾート開発の契機
20 エクス=アン=プロヴァンス〈フランス〉――古代ローマ人が残した「千泉の街」


第Ⅳ部 コート・ダジュールからコスタ・デル・ソルへ

21 マルセイユ〈フランス〉――路面電車で旅するベル・エポックの港町
 [コラム7]ローマ都市、エクスとマルセイユ
22 ゴルド〈フランス〉――南仏の美しい村
 [コラム8]プロヴァンスの石とプイヨン
23 エグ・モルト〈フランス〉――カマルグ湿原にまどろむ中世城塞都市
24 セット〈フランス〉――ラングドック地方の「ヴェネツィア」?
25 ジローナ〈スペイン〉――中世に最も近いカタルーニャの町
26 バルセロナ〈スペイン〉――都市としての存在の意思
27 バレンシア〈スペイン〉――時代横断型サイクリングコース


第Ⅴ部 アンダルシアからモロッコへ

28 セビーリャ〈スペイン〉――異文化の重なりが生んだ町
29 コルドバ〈スペイン〉――中世イスラーム都市の残照とキリスト教文化の遺産
 [コラム9]レコンキスタがもたらした共生の都市文化
30 ラバト〈モロッコ〉――歴史の上に築かれた王都
31 カサブランカ〈モロッコ〉――寛大な姿勢と相互の理解、都市計画とアール・デコ
32 エッサウィラ〈モロッコ〉――グナワが聞こえる芸術の港
33 マラケシュ〈モロッコ〉――歴史都市に遺産の継承を学ぶ
34 オートアトラス南麓の街々〈モロッコ〉――海岸線から沙漠へ続く道
35 農村の生活を支えるアルガン〈モロッコ〉――南西部スース=マサ地方の女性協同組合の活躍
36 フェス〈モロッコ〉――迷宮の中の秩序


第Ⅵ部 地中海の南――マグリブ

37 アルジェ〈アルジェリア〉――街を飛び交う複数の言語
38 ガルダイヤ〈アルジェリア〉――建築の聖地
39 カビリー〈アルジェリア〉――歌とビールと宗教と
40 コンスタンチーヌ〈アルジェリア〉――難攻不落の山城の町
41 チュニス〈チュニジア〉――都市空間のつながり、建築様式のつながり
42 マトマタのアマジグ村落〈チュニジア〉――荒野に実るオリーヴ
43 ジェルバ島〈チュニジア〉――イバード派の遺産が残る島
44 トクラ(タウケイラ)遺跡〈リビア〉――潮風に消えゆく遺跡
45 カイロ〈エジプト〉――マムルーク(軍人奴隷)たちの遺産
46 アレキサンドリア〈エジプト〉――古代都市と近代都市の狭間で


第Ⅶ部 中東の海――レヴァント

47 エルサレム〈イスラエル/パレスチナ〉――聖地をめぐる静かな分断
 [コラム10]映画に見る地中海都市
48 ベイルート〈レバノン〉――ダウンタウンの記憶
49 カッブ・イリヤース〈レバノン〉――ハイイの消滅
50 ダマスクス〈シリア〉――消滅しつつある世界最古の現存する都市
 [コラム11]中東での住宅の魅力はパラダイスの中庭にあり
51 アパメア〈シリア〉――列柱道路を歩いた日
52 デッド・シティ〈シリア〉――初期キリスト教文化に彩られた「死の町」
53 アレッポ〈シリア〉――内戦前のファラジュ門地区
54 ニコシア〈キプロス〉――キプロスの分断された首都
55 ラルナカ〈キプロス〉――白い湖と二つの宗教
 [コラム12]トロドス山脈の教会群


第Ⅷ部 遥かにアジアを望む――アナトリア

56 アニ〈トルコ〉――アルメニアの栄華を語る廃都
57 トラブゾン〈トルコ〉――ビザンツ期の教会堂・修道院建築の宝庫
 [コラム13]黒海の教会の島ネセバル
58 エルジンジャン〈トルコ〉――移動する都市、移動する地震
59 イスケンデルン〈トルコ〉――レヴァンティンたちの夢の跡
60 カッパドキア〈トルコ〉――黒曜石と聖ゲオルギオス伝説
61 ブルサ〈トルコ〉――オスマン都市の名残をとどめる美食と温泉の都
62 イスタンブル〈トルコ〉――地中海世界の永遠の帝都
 [コラム14]クズグンジュック――ボスフォラス海峡に暮らす


 地中海を旅するための文献案内

前書きなど

まえがき

 真っ青に晴れ渡った空、太陽の照りつける大地、鬱蒼とまとわりつく蔦の下にのぞく古建築、そして海。地中海という言葉を聞いて思い浮かべる光景は人それぞれであろう。本書は、まばゆい色彩と歴史の豊かさに満ち溢れた地中海世界の「都市探訪」、つまり街を歩くことの魅力に光を当てる。地中海を謳うからといって、なにも港湾部など海沿いの都市空間に限定することはなく、その後背地にあって海からの広域的な恩恵を受けてきた都市・地域も含めた。
 編集にあたっては、都市や地域、あるいは建築を専門とされる若手中心の研究者の方々に、文系・理系、また旧知の有無を問わず執筆をお誘いした。経験上、研究者の多くは文献や現地調査を通じて地域への深い敬意と愛情をもっているものと思われるが、本業はいわゆる学術論文の執筆であるはずなので、なかなかそれを活字にする機会には恵まれない。そこで、「論文ではなくて歴史をふまえた街歩きのエッセイを」という条件の他は、内容はもっぱらそれぞれの執筆者にお任せし、普段は内に秘めているとっておきの情景を素描してもらうことにした。むしろそれが本書の特徴となっていよう。章立ては、アテネから始まって反時計回りにぐるりと地中海をめぐり、最後にイスタンブールに戻ってくるという、まさに一周旅行の旅程のような流れとした。もちろん、読者には、好きな都市から読んでもらって構わない。
 街歩きは歴史や文化の舞台を自ら体験することである。地中海地域の魅力は、ヨーロッパ/中東、ないしキリスト教/イスラームといった、われわれがつい陥ってしまいがちな図式を超えて、様々な文化が交じりあって一つの世界を形成していることであろう。ギリシャ・ローマの遺跡を通り過ぎたと思えば、イスラームのモスクが突如目の前に現れたりする。それが都市を旅することのだいご味であり、本書を通じて読者に共有してもらいたい全てである。
 ただ、まさにそれゆえに、今日の地中海は、様々な文化の歴史的な対立を目の当たりにさせるような、移民・難民が命がけで渡る海ともなってしまった。歴史と文化が織りなす調和と美しさは、それが崩れたときの過酷さと裏腹であった。明石書店編集部の兼子さんからの要望は、地中海といっても、海の北側つまりヨーロッパ側だけでなく、東側の中東(レヴァント)、南側の北アフリカ(マグリブ)にも重点を置いてほしいということであった。できるだけそれに応えようとしたつもりではあるが、内戦によって実際に旅することもできない国も多く、また特に建築分野で若手の執筆者は決して多くなかった。今後、若い人の参加に期待したい。
 本書では地中海に関する学問的定義には必ずしもこだわらなかったが、それでも街歩きを続けていくうえで共通性を感じさせるいくつかのキーワードが、期せずして出てきているように思われる。ヨーロッパの都市に東や南の要素が、レヴァントやマグリブの都市に北の要素が見出されるのが地中海都市の魅力である。読者には、ぜひそのような都市のキーワード探しの楽しみを通じて、地中海という「世界観」を切り拓いてもらいたい。あるいはひょっとすると、そこから新しい研究の切り口が見えてくるかもしれない。

 (…後略…)

著者プロフィール

松原 康介  (マツバラ コウスケ)  (編著

 1973年神奈川生まれ。筑波大学システム情報系社会工学域・国際総合学類准教授、地中海・北アフリカ研究センター兼任准教授。
 2005年慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科環境デザインプログラム修了。博士(学術)。専門は中東・北アフリカ地域の都市計画史。アレッポ大学学術交流日本センター、パリ建築都市社会研究所(フランス政府給費研修員)、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所を経て現職。主な計画系業務として、JICAダマスカス都市計画プロジェクト、SATREPS乾燥地資源プロジェクト、UNDP(国連開発計画)シリア人文化財研修に参画。
 著書に『モロッコの歴史都市――フェスの保全と近代化』(学芸出版社、2008年)、Conservation et Modernisation de la ville historique de Fes, Maroc, Recherches sur les langues et les cultures d'Asie et d'Afrique (2014)、論文にGyoji Banshoya (1930-1998): a Japanese planner devoted to historic cities in the Middle East and North Africa, Planning Perspectives, 31-3, 2015などがある。2016年日本都市計画学会論文賞、国際都市計画史学会東アジア都市計画史賞。

追記

【執筆者一覧】

阿部大輔(あべ・だいすけ)
龍谷大学政策学部教授
専攻:都市計画、都市デザイン
主な著作:『バルセロナ旧市街の再生戦略――公共空間の創出による界隈の回復』(学芸出版社、2009年)、『バルセロナ カタルーニャ文化の再生と展開』(共著、竹林舎、2017年)、『アーバンデザイン講座』(共編著、彰国社、2018年)。

新井勇治(あらい・ゆうじ)
愛知産業大学造形学部教授・建築学科長
専攻:中東・イスラーム建築史、都市史
主な著作:『イスラーム世界の都市空間』(共編著、法政大学出版、2002年)、『イスラム建築がおもしろい!』(共著、彰国社、2010年)、『シリア・レバノンを知るための64章』(共著、明石書店、2013年)。

池田昭光(いけだ・あきみつ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究機関研究員
専攻:人類学
主な著作:「流れに関する試論――レバノンからの視点」(『アジア・アフリカ言語文化研究』第87号、2014年)、「短めの言葉――暴力の経験を語りだす人」(堀内正樹・西尾哲夫編『〈断〉と〈続〉の中東――非境界的世界を游ぐ』悠書館、2015年)、『流れをよそおう――レバノンにおける相互行為の人類学』(春風社、2018年)。

伊藤喜彦(いとう・よしひこ)
東海大学工学部准教授
専攻:西洋建築史
主な著作:「再利用・再解釈・再構成されるローマ――コルドバ大モスクにおける円柱(特集中世のなかのローマ)」(『西洋中世研究』第7号、2015年)、『スペイン初期中世建築史論』(中央公論美術出版、2017年)。

鵜戸聡(うど・さとし)
鹿児島大学法文学部准教授
専攻:フランス語圏アラブ=ベルベル文学
主な著作:『アルジェリアを知るための62章』(共著、明石書店、2009年)、『反響する文学』(共著、風響社、2011年)。

江口久美(えぐち・くみ)
九州大学持続可能な社会のための決断科学センター助教
専攻:都市工学
主な著作:「建築博物館と歴史教育」「建築都市文化の普及網と地方定着」「都市情報と市民議論」(アーバンデザインセンター研究会編『アーバンデザインセンター』理工図書、2012年)、『パリの歴史的建造物保全』(中央公論美術出版、2015年)、「フランスにおける『任意の地区評議会』――海賊党の液体民主主義と近年の民主主義のふたつの動向から」(稲賀繁美編『海賊史観からみた世界史の再構築――交易と情報流通の現在を問い直す』思文閣出版、2017年)。

岡井有佳(おかい・ゆか)
立命館大学理工学部教授
専攻:都市計画
主な著作:『まち歩きガイド東京+(プラス)』(共著、学芸出版社、2008年)、「フランスの広域計画」(大西隆編著『広域計画と地域の持続可能性』学芸出版社、2010年)。

岡北一孝(おかきた・いっこう)
日本学術振興会特別研究員PD(大阪大学)
専攻:イタリア建築史
主な著作:『ブラマンテ――盛期ルネサンス建築の構築者』(共著、NTT出版、2014年)、「模倣と修整、アルベルティによるルチェッラーイ礼拝堂の聖墳墓」(『Arts & Media』vol. 6、2016年)、「ピウス二世『覚え書』の建築エクフラシスと理想都市ピエンツァ」(『Arts & Media』vol. 8、2018年)。

加嶋章博(かしま・あきひろ)
摂南大学理工学部教授
専攻:都市計画史、都市建築史、地域資源論。
主な著作:『建築の20世紀』(本田昌昭・末包伸吾編著、学芸出版社、2009年)、「アルベルティ『建築論』と『フェリーペ2世の勅令』における都市計画理念」(『都市計画論文集』No.413、2006年、日本都市計画学会論文奨励賞)、Pep Fortia (ed.), Girona, pedres i flors. El patrimoni arquitectonic del Barri Vell de Girona (Col-legi Oficial d'Aparelladors i Arquitectes Tecnics de Girona, 1998).

柏木健一(かしわぎ・けんいち)
筑波大学地中海・北アフリカ研究センター准教授
専攻:開発経済学、中東・北アフリカ経済研究
主な著作:「1月25日革命後のエジプト経済――構造的問題と今後の展望」(『中東研究』520号、2014年)、(共著)“Technical Efficiency of Olive Oil Firms under the Industrial Upgrading Programme in Tunisia” (New Medit: A Mediterranean Journal of Economics, Agriculture and Environment, No.4, 2016); “Technical Efficiency of Olive-growing Farms in the Northern West Bank of Palestine” (Sustainable Agriculture Research, Vol.6, No.2, 2017).

加藤玄(かとう・まこと)
日本女子大学文学部教授
専攻:中世英仏関係史
主な著作:『〈帝国〉で読み解く中世ヨーロッパ』(朝治啓三・渡辺節夫との共編著、ミネルヴァ書房、2017年)、「王の移動――エドワード一世の巡幸と納戸部記録」(高橋慎一朗・千葉敏之編『移動者の中世――史料の機能、日本とヨーロッパ』東京大学出版会、2017年)。

川田清和(かわだ・きよかず)
筑波大学生命環境系助教
専攻:植生学
主な著作:“Overview of Vegetation in North Africa” (Isoda. H, Neves, M.A. and Kawachi, A. eds., Sustainable North African Society: Exploring the Seeds and Resources for Innovation, Nova Science Publisher, 2015); Kawada, K., Suzuki, K., Suganuma, H., Smaoui, A., Isoda H., “Protective effects of vegetation in the Chambi National Park in Tunisia” (Journal of Arid Land Studies 25(3), 2015).

川本智史(かわもと・さとし)
金沢星稜大学教養教育部専任講師
専攻:オスマン建築史・都市史
主な著作:『イスラム建築がおもしろい!』(深見奈緒子編著、彰国社、2009年)、『オスマン朝宮殿の建築史』(東京大学出版会、2016年)。

木田剛(きだ・つよし)
筑波大学人文社会系准教授
専攻:言語学、文化記号論、フランス語圏地域研究
主な著作:『安定を模索するアフリカ』(共編、ミネルヴァ書房、2017年)、Geste et appropriation (PUP, Aix-en-Provence, 2014); Conflit en discours et discours en conflit (共編, PUP, Aix-en-Provence, 2016); Discours en conflit et conflit en discours. Contextes institionnels (共編, PUP, Aix-en-Provence, 2017); “Symbolisme gestuel de la gastronomie japonaise・(Les gestes culinaires, Paris, L'Harmattan, 2017).

喜田川たまき(きたがわ・たまき)
筑波大学地中海・北アフリカ研究センター研究員
専攻:宗教学
主な著作:“Saint Veneration and Nature Symbolism in North Africa” (International Journal of Humanities and Cultural Studies, Vol. 4, No.4, 2018); “Pilgrimage to old olive trees and saint veneration in North Africa” (International Journal of Arts and Humanities, Vol 5, No. 8, 2017); “Identity and its Transformation in the Annual Festival of a Berber Village” (edited by Kashiwagi, Kenichi et al. Science, Technology, Society & Sustainable Development in Tunisia and Japan, Springer, 2018 [予定]).

木村周平(きむら・しゅうへい)
筑波大学人文社会系准教授
専攻:文化人類学
主な著作:『新しい人間、新しい社会――復興の物語を再創造する』(共編著、京都大学学術出版会、2015年)、「災害とリスクの人類学」(桑山敬己・綾部真雄編『詳論文化人類学』ミネルヴァ書房、2018年)。

國府久郎(こくぶ・ひさお)
早稲田大学商学学術院准教授
専攻:フランス近現代史・都市史
主な著作:「フランス地方大都市における都市公共交通サービス――マルセイユ市の事例を中心に(1870年代~1930年代)」(『社会経済史学』第78巻4号、2013年)、“Le tramway et la formation des Comites d'interet de quartier a Marseille: de la fin du XIXe siecle jusqu'aux annees 1930” (Histoire urbaine, n° 45, 2016).

坂野正則(さかの・まさのり)
上智大学文学部准教授
専攻:フランス近世史
主な著作:「近世における聖体崇敬と兄弟会」(河原温・池上俊一編『ヨーロッパ中近世の兄弟会』東京大学出版会、2014年)、「ピエール・ド・ボンジ枢機卿とミディ運河建設」(『武蔵大学人文学会雑誌』第46巻第1号、2014年)、「17世紀におけるパリ外国宣教会とフランス東インド会社」(川分圭子・玉木俊明編著『商業と異文化の接触』吉田書店、2017年)。

佐倉弘祐(さくら・こうすけ)
信州大学学術研究院工学系助教
専攻:都市計画、都市デザイン
主な著作:「19世紀後半の地方中都市における都市デザインに関する研究――スペイン・バレンシアを対象に」(『日本建築学会計画系論文集』78巻691号、2013年)、「『用水路』からみる都市構造の変容に関する研究――スペイン地方中都市バレンシアを対象に」(『日本都市計画学会都市計画論文集』49巻3号、2014年)。

ジラルデッリ青木美由紀(じらるでっり・あおき・みゆき)
イスタンブル工科大学
専攻:オスマン美術史・建築史
主な著作:『明治の建築家伊東忠太オスマン帝国をゆく』(ウェッジ、2015年)、『オスマンの宮殿へ吹く日本の風』(編著、トルコ国立宮殿局、2015年)。

清野隆(せいの・たかし)
江戸川大学社会学部准教授、財団法人エコロジカル・デモクラシー財団理事
専攻:コミュニティ・デザイン、エコロジカル・デモクラシー
主な著作:『山あいの小さなむら――山古志を生きる人々』(共著、博文堂、2013年)、『住み継がれる集落をつくる――交流・移住・通いで生き抜く地域』(共著、学芸出版社、2017年)、「限界を超えて、つながる」(『BIOCITY』74号、2018年)。

高根沢均(たかねざわ・ひとし)
神戸山手大学現代社会学部准教授
専攻:初期キリスト教・初期中世教会堂建築史
主な著作:「サンタニェーゼ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂におけるスポリアの配置とその意味」(『日本建築学会計画系論文集』616号、2007年)、(共著)“Preliminary Report of Non-destructive Investigation of Plaster-covered Mosaics of Hagia Sophia”(Ayasofya Muzesi Yllklar, No.14, 2014).

田中英資(たなか・えいすけ)
福岡女学院大学人文学部准教授
専攻:社会人類学、文化遺産研究、地中海地域研究(トルコ・ギリシャ)
主な著作:『文化遺産はだれのものか――トルコ・アナトリア諸文明の遺物をめぐる所有と保護』(春風社、2017年)、“Heritage Destruction in Context: the Case of the Roman Mosaics from Zeugma, Turkey” (International Journal of Heritage Studies 21(4), 2015); “Archaeology Has Transformed “Stones” into “Heritage”: the Production of a Heritage Site through Interactions among Archaeology, Tourism, and Local Communities in Turkey” (Historia: Questoes & Debates 66(1), 2018).

谷口陽子(たにぐち・ようこ)
筑波大学人文社会系准教授
専攻:保存科学、考古科学
主な著作:「中央アジア・バーミヤーン仏教壁画の分析1――シンクロトロン放射光を用いたSR-μFTIR, SR-μXRF/SR-μXRD分析」(『国立歴史民俗博物館研究報告』177、2012年)、「西アジアの文化遺産をまもる」(筑波大学西アジア文明研究センター編『西アジア文明学への招待』悠書館、2014年)、Scientific Research for Conservation of Rock hewn church, Uzumlu (Cappadocia) in 2015,38th International Symposium of Excavations, Surveys and Archaeometry 23-27 May Edirne, 2017.

錦田愛子(にしきだ・あいこ)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
専攻:中東地域研究
主な著作:『ディアスポラのパレスチナ人――「故郷(ワタン)」とナショナル・アイデンティティ』(有信堂高文社、2010年)、「パレスチナ女性の語りに見る抵抗運動――ナショナリズム運動との関わり」(福原裕二・吉村慎太郎編『現代アジアの女性たち――グローバル化社会を生きる』新水社、2014年)、「紛争とともに住むこと――イスラエルとパレスチナの境界」(堀内正樹編『〈断〉と〈続〉の中東――非境界的世界を游ぐ』悠書館、2015年)。

早坂由美子(はやさか・ゆみこ)
在ブルガリア日本国大使館専門調査員
専攻:バルカン都市史・建築史
主な著作:記憶の向こうのソフィア(Sofia, 2011)、「ブルガリア正教徒商人による商業施設の建設と交易空間――19世紀のタルノヴォを事例として」(『日本建築学会計画系論文集』80巻712号、2015年)、「19世紀末ソフィアにおける都市の荒廃 陸路交易との関係を中心に」(『危機に際しての都市の衰退と再生に関する国際比較[若手奨励]特別研究委員会報告書』2015年)。

樋渡彩(ひわたし・あや)
近畿大学工学部講師
専攻:都市史・イタリア近現代史
主な著作:『ヴェネツィアのテリトーリオ――水の都を支える流域の文化』(樋渡彩・法政大学陣内秀信研究室編、鹿島出版会、2016年)、『ヴェネツィアとラグーナ――水の都とテリトーリオの近代化』(鹿島出版会、2017年)。

深見奈緒子(ふかみ・なおこ)
日本学術振興会カイロ研究連絡センターセンター長
専攻:イスラーム建築史
主な著作:『イスラーム建築の世界史』(岩波書店、2013年)、『世界の美しいモスク』(エクスナレッジ、2016年)、『メガシティ2メガシティの進化と多様性』(共編、東京大学出版会、2016年)。

藤田康仁(ふじた・やすひと)
東京工業大学環境・社会理工学院准教授
専攻:建築史(特に中世キリスト教建築史)、都市史
主な著作:『東アナトリア、シリアの歴史建築[英語版]』(編著、彩流社、2015年)、『ジョージアの歴史建築――カフカースのキリスト教建築美術』(編著、彩流社、2018年)。

前島美知子(まえじま・みちこ)
ユネスコ日本政府代表部、フランス国立科学研究センター(CNRS) /フランス文化・通信省共同 AHTTEP(建築 歴史 技術 地域 文化財)研究所特別研究員
専攻:建築史
主な著作:『サンゴバン――ガラス・テクノロジーが支えた建築のイノベーション』(共著、武田ランダムハウスジャパン、2010年)、「日仏技術交流史からみた陸軍の施設計画に関する研究」(慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士論文、2012年)、『Vocabulaire de la spatialite japonaise(日本の生活空間)』(共著、CNRS出版[フランス]、2014年)、『境界線から考える都市と建築』(共著、鹿島出版会、2017年)。

松原康介(まつばら・こうすけ) ※編著者紹介を参照。

三田村哲哉(みたむら・てつや)
兵庫県立大学環境人間学部准教授
専攻:建築史、意匠
主な著作:『アール・デコ博建築造形論――一九二五年パリ装飾美術博覧会の会場と展示館』(中央公論美術出版、2010年)、『建築転生――世界のコンバージョン建築Ⅱ』(小林克弘・角野渉共編著、鹿島出版会、2013年)。

森川真樹(もりかわ・まき)
国際協力機構(JICA)社会基盤・平和構築部テクニカルアドバイザー
専攻:都市計画、地域開発
主な著作:「都市開発における国際協力――JICAの経験から」(原田昇監修、和泉洋人・城所哲夫・瀬田史彦編著『サステイナブル都市の輸出――戦略と展望』学芸出版社、2017年)、「都市と交通をつなげるTOD型まちづくり」(『都市計画』334号、日本都市計画学会、2018年、森尾康治との共著)。

守田正志(もりた・まさし)
横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院准教授
専攻:イスラーム建築史・都市史
主な著作:Historic Christian and Related Islamic Monuments in Eastern Anatolia and Syria from the Fifth to Fifteenth Centuries A.D. - Architectural Survey in Syria, Armenia, Georgia, and Eastern Turkey(編著、彩流社、2015年)、「『イスタンブル・ワクフ調査台帳』にみる15世紀中期から16世紀末期のイスタンブルの商業地域におけるワクフの運用実態――オスマン朝初期におけるイスラーム都市の史的研究4」(『日本建築学会計画系論文集』677号、2012年)、「中世アナトリアのイスラーム墓廟建築にみる三角形平面を用いたドーム移行部の歴史的展開」(『日本建築学会計画系論文集』741号、2017年)。

山本沙希(やまもと・さき)
お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士後期課程
専攻:北アフリカ・マグリブ地域研究
主な著作:「現代アルジェリアにおける家内労働と女性――手工芸分野の内職を通じた伝統的役割の検討」(お茶の水女子大学『人間文化創成科学論叢』第18号、2016年)、「アルジェリアにおける家内労働の「フォーマル化」――統計実践と法制化に基づく一考察」(東海ジェンダー研究所『ジェンダー研究』第20号、2018年)。

渡邊祥子(わたなべ・しょうこ)
日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員
専攻:マグリブ現代史
主な著作:“A Forgotten Mobilization: The Tunisian Volunteer Movement for Palestine in 1948” (Journal of the Economic and Social History of the Orient, 60, 2017); “The Party of God: The Association of Algerian Muslim ‘Ulama’ in Contention with the Nationalist Movement after World War II” (International Journal of Middle East Studies, 50, 2018).

上記内容は本書刊行時のものです。