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貧困研究 Vol.21 『貧困研究』編集委員会(編集) - 貧困研究会
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貧困研究 Vol.21 (ヒンコンケンキュウボリュームニジュウイチ)

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発行:貧困研究会
発売:明石書店
B5判
136ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-7503-4766-0   COPY
ISBN 13
9784750347660   COPY
ISBN 10h
4-7503-4766-3   COPY
ISBN 10
4750347663   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年12月15日
書店発売日
登録日
2018年12月6日
最終更新日
2018年12月20日
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紹介

日本における貧困研究の深化・発展、国内外の研究者の交流をはかり、貧困問題をさまざまな人々に伝えていく、日本初の貧困研究専門誌。特集「日本における労働と貧困」、特集報告「貧困問題若手支援者・活動家からの問題提起」などの内容。

目次

 巻頭のことば[青木紀]

特集 労働と貧困
 ワーキングプア研究の現在と政策課題[福原宏幸]
 ワーキングプアと時間の貧困――就労者の貧困問題を捉える新しい視点[石井加代子・浦川邦夫]
 最低賃金制――その存立根拠と日本の課題[吉村臨兵]
 ワーキングプアに対する雇用セーフティネットの機能不全とその克服――雇用保険を中心に[高橋勇介]
 非正規労働と年金――女性を中心に[吉中季子]


特集報告 貧困問題若手支援者・活動家からの問題提起
 日本の貧困をめぐる現況――支援、運動、政策の変化を中心に[大西連]
 反貧困運動を再構築するために――ワーキングプアへの取り組みを通じた労働運動と反貧困運動の再結合の必要性[渡辺寛人]
 最低賃金1500円と反貧困[原田仁希]
 日本における少女の性的搾取と貧困・孤立――女子中高生とともに声を上げる[仁藤夢乃]

シリーズ:生活困窮者支援の現場から7
 断らず関わり続ける相談支援――福岡県中間市の生活困窮者支援現場から[中間あやみ]

投稿論文
 生活保護スーパービジョンの機能と査察指導員の組織体制――東京都福祉事務所のアンケート調査から[武井瑞枝]

書評
 末冨芳編著『子どもの貧困対策と教育支援――より良い政策・連携・協働のために』[高嶋真之]


国内貧困研究情報
 貧困研究会第10回関西定例研究会報告「日本の所得格差:研究動向と格差の理由」[五石敬路・四方理人]

貧困に関する政策および運動情報 2018年1月~2018年6月[畑本裕介/小西祐馬/五石敬路/村上英吾/北川由紀彦]

 貧困研究会規約
 原稿募集及び投稿規定
 編集後記

前書きなど

巻頭のことば 「高齢者の貧困」研究のむずかしさ[青木紀(北海道大学・名寄市立大学名誉教授)]

 前号(20号)で座談会を設定していただき、福原宏幸編集長の司会のもとに、岩田正美さんや垣田裕介さん、桜井啓太さんとお話ししたとき、高齢者(とくに介護)に関連した貧困問題にもっと取り組むべきではないかと述べた。そこには、個人的には、ケアにかかわる拙著(『ケア専門職養成教育の研究』)を書いたときからの問題意識があった。また、われわれ団塊の世代が後期高齢者になることを前提に「2025年問題」が社会問題化させられようとし、その対応策として地域包括ケアシステムが国家をあげて提起されている状況に対して――自らの取り組みの弱さを棚に上げて言うのだが――、とくに「高齢者の貧困」視点からの議論が弱いと思われたからだ。
 そう思いつつ、この依頼をきっかけに、もう少し何かしら言っておこうと、書店で買うべきか買わざるべきかと迷いながら、老後破産とか崩壊あるいは介護殺人などのタイトルを冠した書籍を何冊か買い求めた。いずれも予想はしていたことだが、ジャーナリズムの視点から問題を鋭くとらえており、勉強になった。一方で、これまでの習慣でためていた、関連する新聞記事のスクラップをながめ、また積読しておいた関連文献などを斜め読みしてみた。そこであらためて、高齢者の増加による社会保障費の伸びと少子化による支え手の不足からくる制度の持続性の危機、といった論調の支配を思い知らされた。さらに、諸悪の根源というのではないが、長寿化そのものが好まれていないような雰囲気、あるいは世代間対立という見方の流れも透けて見えてきた。これはひがみかもしれない。何せ、7~8年前まで「人生前半の社会保障」の充実を強調していた者からすると、まことに立場(退職のこと)が変われば云々、といったことも実感しているからだ。そういう当事者への遠近も私の場合、高齢者問題(研究)への関心の強弱に影響をもたらしているかもしれない。

 (…後略…)

上記内容は本書刊行時のものです。