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移民の子どもと世代間社会移動 OECD(編著) - 明石書店
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移民の子どもと世代間社会移動 連鎖する社会的不利の克服に向けて
原書: Catching Up? Intergenerational Mobility and Children of Immigrants

発行:明石書店
B5判
184ページ
並製
価格 3,000円+税
ISBN
978-4-7503-4717-2
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年10月11日
書店発売日
登録日
2018年9月28日
最終更新日
2018年10月17日
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紹介

移民背景をもつ人びとの不利益は、定住化が進んだ子ども世代までも受け継がれるのか。教育制度や就職、そして労働市場における成果を移民背景の有無から比較検討し、世代を超えた社会移動がどのように促進され、そこにある障壁は何かについて考察する。

目次

 訳者解説――移民の親をもつネイティブの統合と世代間社会移動――
 序文
 謝辞
 要約

第1章 移民の親をもつネイティブの世代間社会移動とその概観
 はじめに
 第1節 移民の両親をもつネイティブの世代間社会移動に関する主な論点
  論点1 移民の両親をもつネイティブは、現居住国生まれの親をもつネイティブと比べて世代間社会移動が小さいのか、大きいのか
  論点2 移民の両親をもつネイティブの世代間社会移動を促進する要因と妨げる要因にはどのようなものがあるのか
  論点3 移民の両親をもつネイティブの世代間社会移動を促進する政策手段は何か
 第2節 政策上の示唆
 結論

第2章 移民の親をもつ子どもと世代間社会移動に関する先行研究の検討
 検討結果の要旨
 はじめに
 第1節 移民の親と子どもの世代間社会移動に関する分析
  コラム2.1 母親の学歴と父親の給与
 第2節 世代間社会移動に影響を与える家族の背景的特徴
 第3節 教育アスピレーションと将来への期待
  コラム2.2 高等教育へのアクセス
 第4節 不利な環境で育つことと世代間社会移動との関連性
 第5節 学校レベルの決定的要因
 第6節 労働市場における世代間社会移動のための経路と障壁
  コラム2.3 学校から仕事への移行におけるインターンシップの重要性
 結論

第3章 教育における世代間社会移動
 検討結果の要旨
 はじめに
 第1節 学歴と就学年数
 第2節 移民背景ごとにみたPISA調査の得点
 第3節 PIAAC調査における成人スキル
 結論
 付録3.A ネイティブの各グループのあいだの学歴の差の変化に関する検討
 付録3.B 移民の親をもつネイティブの将来の学歴はPISA調査の得点からどの程度予測できるか?
 付録3.C 子どもの不利な背景を克服する学校から学べること

第4章 労働市場における世代間社会移動
 検討結果の要旨
 はじめに
 第1節 労働市場への参画における世代間継承
 第2節 職業からみた世代間社会移動
 第3節 経済的脆弱性の継承
 結論
 付録4.A 親の出生国と学歴別にみる就業率

 訳者あとがき

前書きなど

訳者解説――移民の親をもつネイティブの統合と世代間社会移動

本書の位置づけ
 本書『移民の子どもと世代間社会移動:連鎖する社会的不利の克服に向けて』は、経済協力開発機構(OECD)が2017年に発表したCatching Up? Intergenerational Mobility and Children of Immigrants の邦訳である。

 (…中略…)

 これまで、OECDにおける移民の子どもをめぐる議論では、親の出自に注目しながら親の一人以上が受け入れ国(本書の概念では現居住国)で生まれた「ネイティブの子ども」、両親が外国で生まれた「移民の子ども」というグループを設定して検討を重ねてきた。さらに、「移民の子ども」は、本人の移民経験に応じて「移民1世の子ども(両親も本人も外国生まれの子ども)」と「移民2世の子ども(両親は外国生まれだが本人は現居住国生まれの子ども)」に区分して議論されてきた。昨今では、移民に関するOECDとEUとの共同プロジェクトにおいて、移民のグループをより詳細に設定するようになってきている(OECD, 2017: 5)。これに対し、今回の報告書では、現居住国で生まれた人びとをすべて「ネイティブ」とし、そのうえで親世代の国境を越える移住経験に照らして「ネイティブ」のカテゴリを区分している。そのため、本人にも移住経験のある子ども世代(従来の「移民1世の子ども」)は本書での検討に含まれていない。このもとで、親世代から子ども世代にかけての教育や就労といった観点からみた世代間社会移動が本書のテーマの中核に据えられている。グループ設定の変化が示唆する本書の問題関心について、以下では特徴をまとめながら論点を探ってゆく。

 (…後略…)

著者プロフィール

木下 江美  (キノシタ エミ)  (

2010年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。現在、ライプツィヒ大学教育科学部研究員、東洋大学アジア文化研究所客員研究員。専門は、教育思想史、比較教育学、質的研究。主な論文・訳書に、「移民背景をもつ教師の自伝を読む:アフガニスタン出身ムスリム女性にとってのドイツにおける多様性の問題」(東洋大学アジア文化研究所編『アジア文化研究所研究年報』第51号、2016年)、「移民の子どもの教育からみるドイツの統合と多文化社会」(園山大祐編著『岐路に立つ移民教育:社会的包摂への挑戦』ナカニシヤ出版、2016年)、『21世紀型学習のリーダーシップ:イノベーティブな学習環境をつくる』(共監訳、OECD教育研究革新センター編著、2016年、明石書店)、『移民の子どもと学校:統合を支える教育政策』(共監訳、OECD編著、2017年、明石書店)など。

布川 あゆみ  (フカワ アユミ)  (

2016年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了(社会学博士)。現在、東京外国語大学世界言語社会教育センター特任助教。専門は、比較教育学、教育社会学。主な著書・論文・訳書に、『ドイツにおける学校制度改革と学力問題:進む学校の終日化と問い直される役割分担のあり方』(晃洋書房、2018年)、「教育をめぐる学校・家庭・学校外の関係性の変容:ドイツ・ブレーメン州における移民集住地域の終日学校を事例に」(日本教育社会学会編『教育社会学研究』第102集、2018年)、『移民の子どもと学校:統合を支える教育政策』(共監訳、OECD編著、2017年、明石書店)、『21世紀型学習のリーダーシップ:イノベーティブな学習環境をつくる』(共監訳、OECD教育研究革新センター編著、2016年、明石書店)など。

斎藤 里美  (サイトウ サトミ)  (

1990年一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程満期退学。現在、東洋大学文学部教授。専門は教育社会学、教育目標・評価論。主な著訳書に、『多様性を拓く教師教育:多文化時代の各国の取り組み』(監訳、OECD教育研究革新センター編著、明石書店、2014年)、『OECD教員白書:効果的な教育実践と学習環境をつくる〈第1回OECD国際教員指導環境調査(TALIS)報告書〉』(監訳、OECD編著、明石書店、2012年)、『移民の子どもと格差:学力を支える教育政策と実践』(監訳、OECD編著、明石書店、2011年)、『移民の子どもと学力:社会的背景が学習にどんな影響を与えるのか〈OECD-PISA 2003年調査 移民生徒の国際比較報告書〉』(監訳、OECD編著、明石書店、2007年)、『シンガポールの教育と教科書:多民族国家の学力政策』(編著・監訳、明石書店、2002年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。