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三島由紀夫と天皇 菅 孝行(著/文) - 平凡社
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三島由紀夫と天皇

発行:平凡社
新書判
288ページ
定価 900円+税
ISBN
9784582858969
Cコード
C0210
一般 新書 哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年10月2日
最終更新日
2018年11月9日
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書評掲載情報

2019-01-27 東京新聞/中日新聞  朝刊
2019-01-27 毎日新聞  朝刊
評者: 渡辺保(演劇評論家)
2019-01-13 読売新聞  朝刊
評者: 苅部直(東京大学教授、政治学者)

目次

《目次》
第1章 見てはならないものを見た──〈諫死〉に向かう二十五年
作家それぞれの〈敗戦〉/神権的な天皇制の〈喪失〉に傷つく
アメリカが天皇制を延命させるという〈ねじれ〉/天皇制信仰を告白できない時代
誰が「日本精神」の〈根拠〉を取り除いたのか/天皇への愛と憎悪
『仮面の告白』での「クイア」の自覚/古典主義の時代──『近代能楽集』
禁忌によって燃え上がるエロス/「大義」に殉じる恍惚/諫死、または天皇霊の横領

第2章 天皇への反歌──『近代能楽集』をめぐって
「美しい夭折」を禁じられる/「人生」が滲み込まない「芸術」
生きるに値しない世界に生き直す/三島由紀夫と藤田省三
蹶起部隊を裏切った「大御心」/美に殉じる詩人の宿命
「人間宣言」を発した天皇への反歌『近代能楽集』の主題の反転
「美しい死」を断念した「余生」/民主化と国体護持の二つの顔
「一筋のみやび」としての二・二六/戦後の終焉が主題化される
「アメリカの日本」の下で

第3章 禁じられたエロスと戦後日本の宿命
国粋主義的言動へのうしろめたさ/「大東亜戦争」開戦の「解放感」
「恐ろしい日々がはじまるという事実」/禁じられたエロスへの耽溺
花田清輝と三島由紀夫/ギリシャで身をもって体験した同性愛
「自明性の破壊」という意味での政治性/大江健三郎出現の予兆
至高の愛の対象を破壊する/金閣寺は何のメタファか/大江健三郎と三島由紀夫
「生ける屍」としての戦後社会/加虐と被虐の「不二」/アメリカの「命じた」自由
『家畜人ヤプー』絶賛から忌避へ

第4章 サド侯爵と天皇裕仁──〈共犯〉から訣別へ
対米隷属と「超自我」の喪失/「アプレゲール」と呼ばれた社会現象
闇金融、日大強盗、一家虐殺、カービン銃強盗……
〈冒険〉が抑え込まれて、そして……/親米保守勢力と「暗黙の了解」
アメリカに奉仕する「買弁天皇制」国家/左翼勢力は戦後体制をどう批判したか
一九六〇年に起こったこと/山口二矢の鬱情とその発露
『憂国』──浪曼主義への回帰/澁澤龍彥と三島由紀夫
サドとの絶対的な結びつきの確信/〈共犯〉の絆、闘う力の源泉
「裏切者」アルフォンスと敗戦後の天皇/「人間天皇」への激しい違和感
天皇という至福の喪失/「英霊の声」を代行するのか

第5章 諫死もしくは天皇霊を奪い取ること
『英霊の声』を書かずにはいられない地点へ/「人間天皇」を呪詛する怨霊たち
怨念は天皇への殺意には至らない/磯部浅一『獄中手記』に見る「怒髪天」
皇居占拠の可能性は本当になかったのか/磯部浅一と「道義的革命」
三島は弑逆まで視野に入れていたのか/『文化防衛論』が語る「文化概念としての天皇制」
「みやび」としての行動へ/「承詔必謹」を否定する道筋
最後のライフワーク『豊饒の海』/敵は、戦後体制の全部
三島が呼びかけた先は天皇裕仁だった/天皇霊を天皇の生身から掠取する
三島の直観の先駆性/三島の行動が現在に問いかけるもの

第6章 三島由紀夫を遠く離れて
致命的ともいうべき生得的な負荷/第一作と最終作に共通する絶対的孤独
決定的な悲劇から排除されているという悲劇/外とつながる「同苦」の発見
「大衆天皇制」と「週刊誌天皇制」/核武装、そして極東裁判の戦争観への反発
アメリカによって葬られた田中角栄/アメリカ統治の欺瞞としての天皇制
天皇制へのアジアからの眼差し/左翼からの問いと三島由紀夫
アメリカ支配と国粋主義の融合/〈護憲の天皇〉の闘い/天皇と首相の間の激しい対立
明仁天皇と三島由紀夫──その逆説的酷似/「日本計画」による「国体」の維持
国体護持のために奔走する天皇裕仁/メビウスの輪としての戦後体制
安倍政権による、支配と利権のための改憲/天皇制民主主義に未来はあるのか
〈生前退位〉と「自刃」/天皇の霊性を価値としない者のために
天皇制国家の霊性とアジアからの憎悪/隣人との信認の起点をつくる

著者プロフィール

菅 孝行  (カン タカユキ)  (著/文

1939年東京生まれ。評論家。東京大学文学部卒業後、東映に入社。京都撮影所で演出助手を務める。67年に退社。PR映画・CMの演出や、予備校講師などをしつつ、評論活動を行う。著書に『竹内好論』『関係としての身体』『戦後演劇』『感性からの自由を求めて』『佐野碩 人と仕事』『「天皇制論集」第一巻 天皇制問題と日本精神史』などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。