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J・M・クッツェー 少年時代の写真
発行:白水社
A5判
198ページ
定価
3,400円+税
- 書店発売日
- 2021年10月19日
- 登録日
- 2021年8月30日
- 最終更新日
- 2021年10月7日
書評掲載情報
2022-01-23 |
読売新聞
朝刊 評者: 小川さやか(立命館大学教授・文化人類学者) |
2021-12-18 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 中村和恵(明治大学教授) |
2021-11-20 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 栗飯原文子(アフリカ文学者) |
2021-11-20 |
朝日新聞
朝刊 評者: 江南亜美子(京都芸術大学専任講師・書評家) |
2021-11-06 |
毎日新聞
朝刊 評者: 堀江敏幸(作家) |
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紹介
写真とフィクションの関係をひもとく
「真実があらわになる瞬間に立ち会うこと、それに興味があったんだと思う。半分は発見されるが、もう半分は創造される瞬間に。」――J・M・クッツェー
アパルトヘイトが強化されていく1950年代、クッツェー自身がケープタウンのカレッジ時代(12歳~16歳頃)に撮影した貴重な写真が2014年に見つかった。作家が10代のころ、写真家になりたいと思っていたということは最近まであまり知られていなかった。『少年時代』の世界が目の前に立ち現れたような131点の写真をクッツェー研究者のハーマン・ウィッテンバーグが分析し、編んだのが本書である。写真とフィクションがどう結びついているのかを考察する最良の資料だ。
学校の友人や教師をスパイカメラで盗み撮りした写真、スポーツイベントの様子、ケープタウンの自然環境や建物、受け継がれてきたカルーの農場と労働者など生活の様子を撮影した写真だけでなく、人種隔離政策が浸透していった50年代の南アフリカの政治状況を記録する写真もある。そこから、自身が身を置く特権的な白人世界の境界を押し広げようとする作家の姿が見えてくる。また、初めて公開される16歳の蔵書の写真からは、作家の自己形成期への影響が見て取れる。クッツェーのインタビューも収録!
目次
Ⅰ これまでの経緯について
Ⅱ 作家になる前
Ⅲ 『少年時代』の写真
家族と家
フューエルフォンテイン
聖ジョゼフ・マリスト・カレッジ
動きと光の実験
ケープタウンの風景
Ⅳ 写真のことを思い出すと
──ハーマン・ウィッテンバーグによるJ・M・クッツェーへのインタビュー
Ⅴ 最初のライブラリー
原註
訳者あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。