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J・M・クッツェーと真実 くぼた のぞみ(著/文) - 白水社
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J・M・クッツェーと真実 (ジェイエムクッツェートシンジツ)

文芸
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発行:白水社
四六判
328ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-560-09868-4   COPY
ISBN 13
9784560098684   COPY
ISBN 10h
4-560-09868-9   COPY
ISBN 10
4560098689   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0098  
0:一般 0:単行本 98:外国文学、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年8月30日
最終更新日
2021年10月14日
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書評掲載情報

2022-01-23 読売新聞  朝刊
評者: 小川さやか(立命館大学教授・文化人類学者)
2021-12-25 朝日新聞  朝刊
評者: 温又柔(小説家)
2021-12-18 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 中村和恵(明治大学教授)
2021-11-20 日本経済新聞  朝刊
評者: 栗飯原文子(アフリカ文学者)
2021-11-20 朝日新聞  朝刊
評者: 江南亜美子(京都芸術大学専任講師・書評家)
2021-11-06 毎日新聞  朝刊
評者: 堀江敏幸(作家)
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紹介

日本初のクッツェー論

「クッツェーを翻訳することは、彼の視点から世界全体を見直すレッスンだった」
――ノーベル文学賞作家J・M・クッツェーの翻訳を80年代から手がけてきた著者が、クッツェーの全作品を俯瞰し、作家の実像に迫る待望のクッツェー論。
1940年、南アフリカのケープタウンでオランダ系植民者の末裔として生を受けたクッツェーは、故郷を出て、生まれ育った土地の歴史について外部から批判する視点を養い、自らを徹底検証し、植民地主義を発展させた西欧の近代思想を根底から問い直す試みを、創作を通して行ってきた。著者は、作品を取り巻く社会的・歴史的背景、作家の動機と心情、その変遷に深い針を入れるように調べていく。自伝的三部作を翻訳するためにケープタウンを訪れ、少年時代を過ごした家や風景を見て歩き、フィクションと自伝の境界を無化しようとする作品の、奥深くに埋めこまれた「真実」を解き明かしていく過程はスリリングだ。
作家が来日した時の様子や、アデレード大学で開かれたシンポジウムに招待され、作家の自宅でゲストたちと食事を共にした時のエピソード、言語と出版についての作家のラディカルな活動、翻訳作業の過程のやりとりから伝わってくる作家の素顔も貴重な証言となっている。巻末に詳細な年譜と全作品リストを付す。

目次

プロローグ──ふぞろいの本たち

第1章 南アフリカの作家、J・M・クッツェーと出会う 
ショッキングピンクの砂時計 
 クツィアでもクッツィーでもなく 
 アパルトヘイトとはなんだったのか──『鉄の時代』
 ポケットに南瓜の種子を入れて──『マイケル・K』 
 トンネルを抜けるとカルーだった
 『恥辱』をめぐる二、三の事柄          
 紙とPDF 

第2章 自伝、フィクション、真実 
 自伝、物語ること──『少年時代』『青年時代』『サマータイム』
 ナカグロ詩人 

第3章 世界のなかのJ・M・クッツェー                
 驚異の自己改造プロジェクト──『ダスクランズ』 
 発禁をまぬがれた小説──検閲制度と『その国の奥で』    
 熱波のアデレード 
 ジョル大佐のサングラス──『蛮族を待ちながら』
 文体と文学論──『世界文学論集』                
 クッツェー漬け 

第4章 北と南のパラダイム 
「鯨」がいない──『三つの物語』『遅い男』『厄年日記』 
 よみがえるエリザベス──カレンとコステロ 
『モラルの話』に英語版がないわけ
 J・M・クッツェーのレジスタンス
 翻訳の置きみやげ 

第5章 ジョン・クッツェーとの時間 
 少年の本棚──詩と写真と哲学と                
 ヘンドリック・ヴィットボーイの日記 
『子供百科』と「イエスの三部作」 
 クッツェーと笑い 
 マカンダで迎える誕生日 

エピローグ──なぜJ・M・クッツェーを訳してきたか

参考文献・謝辞
  J・M・クッツェー年譜 
J・M・クッツェー全作品リスト

著者プロフィール

くぼた のぞみ  (クボタ ノゾミ)  (著/文

1950年、北海道生まれ。翻訳家・詩人。
訳書に、J・M・クッツェー『少年時代の写真』、『マイケル・K』、『鉄の時代』、『サマータイム、青年時代、少年時代──辺境からの三つの〈自伝〉』、『ダスクランズ』、『モラルの話』、J・M・クッツェー&ポール・オースター『ヒア・アンド・ナウ』(共訳)、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『なにかが首のまわりに』、『アメリカーナ』、『半分のぼった黄色い太陽』、『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』、『イジェアウェレヘ フェニミスト宣言、15の提案』、サンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』、『サンアントニオの青い月』、マリーズ・コンデ『心は泣いたり笑ったり』、エドウィージ・ダンティカ『アフター・ザ・ダンス』、ゾーイ・ウィカム『デイヴィッドの物語』ほか多数。
著書に『山羊と水葬』、『鏡のなかのボードレール』、詩集に『風のなかの記憶』、『山羊にひかれて』、『愛のスクラップブック』、『記憶のゆきを踏んで』がある。

上記内容は本書刊行時のものです。