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あるヒトラーユーゲント団員の日記 1928-35 アンドレ・ポスタート(著/文 | 編集) - 白水社
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あるヒトラーユーゲント団員の日記 1928-35 (アルヒトラーユーゲントダンインノニッキ) 「総統に仕えた」青年シャルの軌跡 (ソウトウニツカエタセイネンシャルノキセキ)

歴史・地理
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発行:白水社
四六判
468ページ
定価 5,400円+税
ISBN
978-4-560-09844-8   COPY
ISBN 13
9784560098448   COPY
ISBN 10h
4-560-09844-1   COPY
ISBN 10
4560098441   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年7月29日
最終更新日
2021年9月17日
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書評掲載情報

2021-11-20 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

ヒトラーが政権に就く前後の重要な一次史料

 ドイツの小都市の知識階級の家庭に生まれ育ったシャルは、15歳から22歳まで詳細な日記をつけていた。時代はヒトラーが政権に就いた前後であり、日記の記述の中心は青少年期を決定づけた「ヒトラーユーゲント」との関係だ。シャルはナチズム運動に身を捧げ、総統を崇拝して成長する若者の生活と心情、各組織や団体の内情を生々しく筆記しており、編集・解説・注釈が補足された本書は、重要な一次史料といえる。
 シャルは、ヘルマン・ヘッセの親友でナチに嫌悪を抱いていた神学教師の父、民主主義、「腐りきって崩壊した世界」への反抗的な行動に及ぶ。日記にはますます人種差別的で、外国人を敵視する響きが混じるようになる。やがてシャルは従軍するも重傷を負い、同志たちも非業の死を遂げた。戦後、シャルは戦争の非人間性とヒトラーの狂気に目を開かされたものの、自らのヒトラーユーゲント体験に完全に距離を置くことはできなかった。
 プロパガンダに操られ、総統への崇拝、人種差別に憑かれたシャルの姿は、かつて戦争に巻き込まれた日本の若者と重なって見える。編著者はハンナ・アーレント全体主義研究所ほかで活動する歴史学者。

著者プロフィール

アンドレ・ポスタート  (アンドレ ポスタート)  (著/文 | 編集

ハンナ・アーレント全体主義研究所その他で活動するドイツの歴史学者。本書では、数奇な運命をたどって散佚を免れた「ヒトラーユンゲ」(ヒトラーユーゲント団員)のフランツ・アルブレヒト・シャルの日記本文を、彼の人生の局面ごとに区分し、彼の置かれた環境や時代背景に関する的確な解説を付した。

須藤 正美  (ストウ マサミ)  (翻訳

ドイツ文学、カフカをはじめとするユダヤ系文学者の作品、ドイツ人とユダヤ人の関係史を研究。主要訳書『カフカのプラハ』(水声社)『名作オペラシリーズ「トリスタンとイゾルテ」』(音楽之友社)、『ヒトラーの裁判官フライスラー』、『ヒトラーとドラッグ』(以上、白水社)。

上記内容は本書刊行時のものです。