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ヒュパティア エドワード・J・ワッツ(著/文) - 白水社
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ヒュパティア (ヒュパティア) 後期ローマ帝国の女性知識人 (コウキローマテイコクノジョセイチシキジン)

歴史・地理
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発行:白水社
四六判
276ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-560-09794-6   COPY
ISBN 13
9784560097946   COPY
ISBN 10h
4-560-09794-1   COPY
ISBN 10
4560097941   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0022  
0:一般 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年9月30日
最終更新日
2021年11月5日
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書評掲載情報

2021-12-25 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 小沼純一(早稲田大学教授、音楽・文芸評論家)
2021-12-18 毎日新聞  朝刊
評者: 本村凌二(東京大学名誉教授・西洋史)
2021-12-04 毎日新聞  朝刊
評者: 本村凌二(東京大学名誉教授・西洋史)
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紹介

象徴としてだけでなく、何を成し遂げたかを考察

 ヒュパティアは4世紀後半~5世紀初頭、ローマ帝国のアレクサンドリアで、優れた数学者・哲学者として弟子から政界と宗教界に要人を輩出しつつも、キリスト教徒の政治的対立に巻き込まれて415年に非業の死を遂げた。本書はその生涯に加えて、死後まもなくから21世紀にいたるまでの伝説と受容の長い歴史を紹介するとともに、ともすればそれらに埋もれがちな、彼女が実際に成し遂げたこと、その時代において達成したことは何なのかを考察する。
 当時の知識階層における男女それぞれの教育の異なる傾向とその社会的な事情は、女性哲学者たちを生み出す土壌となった。高名な数学者テオンの娘に生まれて学塾を率い、「公的知識人」の役割を担った新プラトン主義者ヒュパティアの活動を、著者は、教義論争と党派間対立に揺れる当時のアレクサンドリアの知的風土と、古代末期ローマ帝国のエリート層の生態のうちに位置づけて、簡明に論じる。
 時代の制約のなかに生きる女性知識人をあたたかいまなざしで見つつ、ヒュパティアを過剰に聖女や悲劇のヒロインとして美化することがない視点で描かれた評伝。

目次

大斎の殺人
第1章 アレクサンドリア
第2章 幼年時代と教育
第3章 ヒュパティアの学校
第4章 中年期
第5章 哲学の母とその子どもたち
第6章 公共的知識人
第7章 ヒュパティアの姉妹たち
第8章 路上の殺人
第9章 ヒュパティアの記憶
第10章 近代の象徴
エピローグ 伝説を再考する
謝辞/訳者あとがき/図版一覧/参考文献/原註/索引

著者プロフィール

エドワード・J・ワッツ  (エドワード ワッツ)  (著/文

カリフォルニア大学サンディエゴ校教授、同校歴史学科長、アルキヴィアディス・ヴァシリディス・ビザンツ史寄付講座長。古代末期地中海世界における宗教史・社会史・インテレクチュアル・ヒストリーを専門領域とし、イェール大学で博士号(Ph.D)を取得。著書は他にThe Final Pagan Generation (University of California Press, 2015)など。

中西 恭子  (ナカニシ キョウコ)  (翻訳

東京大学大学院人文社会系研究科研究員。日本学術振興会特別研究員(PD)を経て津田塾大学ほか非常勤講師。東京大学文学部西洋史学科卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は古代末期地中海宗教史・宗教文化史、日本語詩歌における西洋古典受容・キリスト教表象受容研究。おもな著書に『ユリアヌスの信仰世界――万華鏡のなかの哲人皇帝』(慶應大学出版会)。論文多数。

上記内容は本書刊行時のものです。