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三つの空白 鵜飼 哲夫(著/文) - 白水社
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三つの空白 (ミッツノクウハク) 太宰治の誕生 (ダザイオサムノタンジョウ)

文芸
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発行:白水社
四六判
420ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-560-09628-4   COPY
ISBN 13
9784560096284   COPY
ISBN 10h
4-560-09628-7   COPY
ISBN 10
4560096287   COPY
出版者記号
560   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2018年3月28日
最終更新日
2018年4月20日
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書評掲載情報

2018-07-14 日本経済新聞  朝刊
2018-06-24 読売新聞  朝刊
評者: 苅部直(東京大学教授、政治学者)
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紹介

ぐっと太宰が近づいてくる

 2018年6月13日は太宰治没後70年にあたり、2019年6月19日は生誕110年を迎え、東京・井の頭公園には新たな文学館が開設されるという。
 現在もなお多くの人々に読み継がれる太宰治だが、自分の人生を啄むようにして小説を書いてきたこの作家には、作品を執筆しない三回の空白期間があり、その空白はいずれも「死」や「別離」に彩られていた。本書は数ある先行書籍があまり指摘してこなかったこの「空白期」にスポットを当て、そこから新たな作家像を探ろうという意欲的な試みに満ちた1冊である。
 最初の空白は、昭和2年春、旧制弘前高等学校に進学してからの1年ほどで、翌年5月に「無間奈落」を発表するまで一つも創作を発表していない。
 二度目の空白は、昭和5年4月に東京帝国大学仏文科進学後、「学生群」を7月から11月まで連載した後、昭和8年2月に短編「列車」を発表するまでの2年以上の長い期間である。
 第三の空白は昭和10年鎮痛剤中毒に陥って苦闘生活が続き、井伏鱒二の紹介で石原美知子と結婚するまでの時期。この三つ目の空白を経て、結婚を機に生活を建て直し、「富嶽百景」に始まる明るい佳品が生まれる。
 読売新聞名物記者の筆さばきが、ぐっと太宰を読者に近づけていく。

上記内容は本書刊行時のものです。