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蔣介石の書簡外交 上巻 麻田 雅文(著/文) - 人文書院
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蔣介石の書簡外交 上巻 (ショウカイセキノショカンガイコウ ジョウカン) 日中戦争、もう一つの戦場 (ニッチュウセンソウモウヒトツノセンジョウ)

歴史・地理
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発行:人文書院
四六判
縦194mm 横135mm 厚さ25mm
256ページ
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-409-51088-9   COPY
ISBN 13
9784409510889   COPY
ISBN 10h
4-409-51088-6   COPY
ISBN 10
4409510886   COPY
出版者記号
409   COPY
Cコード
C1022  
1:教養 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年1月29日
書店発売日
登録日
2020年12月1日
最終更新日
2021年10月8日
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書評掲載情報

2021-05-01 毎日新聞  朝刊
評者: 加藤陽子(東京大学教授・日本近代史)
2021-04-17 日本経済新聞  朝刊
評者: 中村元哉(東京大学准教授)
2021-03-13 朝日新聞  朝刊
評者: 保坂正康(ノンフィクション作家)
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紹介

蔣介石は筆墨という武器で戦った!

日中戦争下、蔣介石は連合国の指導者たちと多くの書簡を交わしている。風雲急を告げる国際情勢のなかで彼は外交でも戦った。それぞれの思惑と各国首脳との駆け引きはどのようなものだったのか。中国はどのように扱われたのか? 両者の思惑から日本はどうなったのか。残された書簡と日記を分析し、蔣介石の多角的な外交を明らかにする。

序章  ソ連と独伊への接近、一九三五~三六年
第一章 日中戦争の勃発と孤立、一九三七年
第二章 最大の支援国家ソ連、一九三八年
第三章 ソ連への期待と失望、一九三九年
第四章 世界大戦への道、一九四〇~四一年
第五章 日米妥協の阻止、一九四一年

(下巻目次)
第六章 ビルマとインドでの蹉跌、一九四二年
第七章 カイロ会談での栄光と挫折、一九四三年
第八章 凋落する中国の地位、一九四四年
第九章 新たなる敵はソ連、一九四五年

目次

はじめに
本書の目的/外交は書簡で動く/史料状況/蔣介石の日記について/補助輪としての日記/本書の構成と用語

序章  ソ連と独伊への接近、一九三五~三六年
ソ連への愛憎/届かなかった蔣介石の書簡/満洲事変後の中ソ関係/日本への宥和と蔣介石の葛藤/ソ連の中東鉄道売却/日中を天秤にかけたソ連/広田三原則への反発/華北分離工作と中ソ接近/中国共産党とも接触/ソ連側は返事を保留/西安事件/怒るスターリン/蔣介石を救出したソ連/集団安全保障案の共鳴/スターリンのわだかまり/幻の太平洋不可侵条約/イタリアと張学良/イタリアの空軍援助/エチオピア戦争/ヒトラーとの往復書簡/日独防共協定と中国

第一章 日中戦争の勃発と孤立、一九三七年
日中戦争勃発/日独伊の調停案への警戒/米英の調停の不調/第二次上海事変/ソ連への要請の三つのポイント/ソ連の出した支援の条件/中ソ相互不可侵条約/ソ連に求めた支援の内容/ソ連の有償支援/リトヴィノフの冷笑/九ヶ国条約会議とソ連/ソ連外交官の処刑/ソ連は参戦するのか/スターリンの日中戦争観/参戦要請の書簡/希望を断たれた蔣介石/中ソの根強い相互不信/「援蔣ルート」の誕生

第二章 最大の支援国家ソ連、一九三八年
戦況の推移/イタリアの変心/日本へ傾くドイツ/ドイツとの深まる溝/スターリンと孫科の会談/ソ連の軍事援助の実数/日本からソ連への抗議/物々交換の提案/「日ソ開戦幻想」/日本の矛先を中国へ/ロンドンでの日ソの密談/張鼓峰事件/中ソ秘密条約の提案/ソ連の示した参戦条件/ミュンヘン会談/日本との和平も検討/アメリカへの期待/米大統領への書簡/つれない返事/日米関係の悪化を喜ぶ/アメリカの桐油借款/「東亜新秩序」への反発/アメリカの中立法/イギリスの閣内対立/慎重なチェンバレン首相/海南島占領/イギリスの対華支援

第三章 ソ連への期待と失望、一九三九年
中ソ同盟を熱望/スターリンの不信感の源/中国共産党への配慮/はぐらかされる同盟と援助/ノモンハンと中国への援助/中英仏ソの連携を求めて/日本への一〇〇倍返し/独ソの急接近/ヒトラーとスターリンの往復書簡/裏切りの独ソ不可侵条約/第二次世界大戦の勃発/ソ連への未練/天津の租界封鎖/高まるアメリカへの期待/対日経済制裁の発動/中立法と中国の除外

第四章 世界大戦への道、一九四〇~四一年
英ソ関係を注視/中ソ軍事同盟の提案/宜昌会戦/フランス降伏/仏印ルート閉鎖への対応/ビルマ・ルートも閉鎖/ビルマ・ルートの復活/チャーチルの激励/蔣介石の好敵手、松岡洋右/日ソ接近への不安/スターリンの真意/中米英軍事同盟の模索/同盟提案の裏事情/拒否された支援/経済支援の加速/されど航空機は届かず/ドイツとの貿易再開/リッベントロップ外相の調停/ドイツの調停を拒否/中国共産党との衝突/新四軍事件/ソ連の支持を争う国共両党/蔣介石を支持したスターリン/

第五章 日米妥協の阻止、一九四一年
松岡外相の訪ソ/松岡外相の大風呂敷/日ソ中立条約の締結/中国への打撃/アメリカと国共対立/武器貸与法の成立/中国人の面子を立てて/中国にも武器を/飛虎隊の結成/独ソ戦の予想的中/独ソ開戦と「大同盟」/アメリカへの「大同盟」への提案/日本への石油禁輸/ソ連の勝利は中国の勝利/ロシア革命記念日を祝う/チャーチルの側面支援/雲南危機/チャーチルの対日強硬姿勢/慎重なアメリカの対応/アメリカの「暫定協定案」/日米妥協を阻止せよ/葬られた「暫定協定案」/「ハル・ノート」/真珠湾攻撃/ソ連は参戦するのか/対日戦を断ったソ連/重慶での軍事会議の招集/ソ連参戦を望まぬイギリス/格下扱いの中国/アメリカの支援の本格化/

(下巻目次)
第六章 ビルマとインドでの蹉跌、一九四二年
チャーチルの慧眼/中国を支えたアメリカの財力/ビルマ失陥/ビルマの惨状を視察/崩壊する大英帝国/自信を喪失した蔣介石/ミッドウエー海戦/ビルマ進攻作戦の問題点/イランと新疆ルート/ヒマラヤ山脈を越えて/戦争のカギを握るインド/インド訪問の波紋/ガンディーからの書簡/実りなき会談/調停に奔走する蔣介石夫妻/ガンディーの妥協/アメリカの力を借りて/ガンディー逮捕/チャーチルの大反論/植民地解放よりも勝利

第七章 カイロ会談での栄光と挫折、一九四三年
連合国の反撃開始/「日ソ開戦幻想」は続く/アメリカ空軍の増強/イギリス海軍はまだか/中英を調整する大統領/カサブランカ会談/対独戦争が最優先/度重なる支援要請/欧州優先のイギリス/大統領の切り札はソ連/チャーチルとの暗闘/チャーチルの敗北//四人の警察官/モスクワ外相会談/四大国首脳会談の提案/中ソの首脳会談拒否/カイロ会談の開催決定/蔣介石の戦後構想/戦後の仮想敵はソ連/アジアの脱植民地化/「カイロ宣言」の成功/ビルマ進攻作戦をめぐる確執/チャーチルを嫌悪した蔣介石/スターリンの対日参戦の口約束/ソ連参戦の好餌をまくアメリカ/暗躍するチャーチル/ビルマ作戦の延期を通告/米中関係の亀裂/チャーチルの中国蔑視/「張り子の虎」の英艦隊

第八章 凋落する中国の地位、一九四四年
ソ連の台頭/「新疆王」盛世才とソ連/ソ連を見限った盛世才/新疆の帰順を喜ぶ蔣介石/スターリンの逆襲/オスマンの反乱勃発/アルタイ事件/インパール作戦と中国/アメリカは中国を支持せず/やむなくビルマへ遠征/大陸打通作戦/日ソ密約を疑う/大統領の中ソ調停/スターリンの弁明/スティルウェルとの対立/蔣介石の「指揮権剥奪」/アメリカの圧力増大/大統領の飴と鞭/窮鼠猫を噛む/スティルウェル事件の決着/侵攻経路から外された中国/B29の登場と中国/中国共産党とアメリカの接近/ハーレーの奔走/大統領の最後の国共調停/

第九章 新たなる敵はソ連、一九四五年
新疆の「回収」/東トルキスタン共和国の建国/ソ連による新疆へのてこ入れ/対日参戦の戦略/参戦条件の提示/ヤルタ会談/モトロフ対ハリマン/ヤルタ秘密協定/秘密協定のわずかな開示/中ソ会談の困難/ローズヴェルト死去/さらなる密約の開示/米ソの下交渉/アメリカによる会談の強要/ソ連に頼るトルーマン大統領/「旅順港の国際化」で対抗/モスクワでの中ソ交渉/譲れないモンゴルの独立/モンゴル独立承認の交換条件/停滞する交渉/スターリンの恫喝/合意に至らず時間切れ/蔣介石の基本方針/トルーマンからの「侮辱」/大統領を操るスターリン/外相理事会からの中国排除案/ポツダム宣言の不手際/原爆とソ連参戦の競合/宋子文の辞任/中ソ交渉の再開/ソ連の対日参戦/こじれる鉄道利権/中ソ友好同盟条約/ソ連は鉄道、中国は港で譲らず/モンゴルと新疆/アメリカの軍事介入未遂/日本降伏/苦い勝利/香港をめぐる英中対立/奪われた香港/新疆の動乱は続く/中国共産党と満洲/張家口の争奪戦/国共内戦の帰結

著者プロフィール

麻田 雅文  (アサダマサフミ)  (著/文

麻田 雅文(あさだ・まさふみ)1980年東京生まれ。2010年 北海道大学大学院文学研究科歴史地域文化学専攻スラブ社会文化論専修博士課程単位取得後退学。博士(学術)。専門は東アジア国際政治史。現在、岩手大学人文社会学部准教授。著書に『中東鉄道経営史―ロシアと「満洲」1896-1935』(名古屋大学出版会、2012)、『シベリア出兵』(中公新書、2016)、『日露近代史』(講談社現代新書、2018)などがある。第8回樫山純三賞受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。