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出版者情報
冷戦後の東アジア秩序
秩序形成をめぐる各国の構想
- 書店発売日
- 2020年3月28日
- 登録日
- 2020年2月27日
- 最終更新日
- 2020年3月27日
書評掲載情報
2021-09-18 |
朝日新聞
朝刊 評者: 阿古智子(東京大学教授・現代中国研究) |
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紹介
東アジアの国際秩序はどこから来て、どこへ向かうのか。主要国の認識、構想、そしてその帰結を追い、東アジアの将来を見定める。
中国が台頭し、アメリカの行動が読めないなかで、東アジアは平和的な秩序を維持できるのか。本書では、冷戦後、東アジアの主要国が地域秩序をどのように認識・構想し、そして実際の秩序形成にどれほどのインパクトをもたらしたのかを検証する。東アジアの将来と日本の役割を見極めるうえで避けて通れない、画期的な研究。
目次
序章 東アジア秩序はいかに形成されてきたのか[佐橋亮]
はじめに
1 東アジア秩序──冷戦から冷戦後へ
2 本書の問いと構成
第1章 アメリカと冷戦後の東アジア秩序──1990年代の状況対応的政策とその帰結[玉置敦彦]
はじめに
1 アメリカの「リベラルな国際秩序」構想──起源と展開
2 東アジア地域秩序の模索と後退
3 現状維持と「平和の配当」の相克
4 現状維持を求めて──リベラルな原則と状況対応的政策
5 状況対応的政策の限界
おわりに
第2章 アメリカのアジアへの方向転換──2000年代における起源と展開[ニナ・サイローブ(訳:志田淳二郎)]
はじめに
1 アイデアの源流──長期的視野に立ったアジアへの関心
2 新しい手段を通じたアジアへの方向転換──グローバルな兵力態勢の見直し
3 アジアへの方向転換をめぐる省庁間の議論
4 アジア・ピボットの実施
おわりに
第3章 冷戦後のオーストラリアの秩序構想と対外政策[佐竹知彦]
はじめに
1 冷戦後のオーストラリアの秩序構想
2 冷戦後のオーストラリアの対外政策
おわりに
第4章 日本の東アジア地域秩序構想──冷戦後における継続と変化[古賀慶]
1 日本のアジア地域秩序構想
2 歴史的制度主義と地域秩序構想
3 日本における東アジア地域秩序構想の変遷──4つの時代区分
おわりに
第5章 韓国外交と地域秩序構想[西野純也]
はじめに
1 冷戦終結への対応とその限界──盧泰愚,金泳三政権
2 地域協力構想と安全保障の制約──金大中,盧武鉉政権
3 米中G2のもとでの秩序構想──李明博,朴槿恵政権
4 「平和と繁栄の朝鮮半島」──文在寅政権
おわりに
第6章 ASEANの地域秩序構想とその実践──南シナ海におけるルール形成の取り組みを中心に[湯澤武]
はじめに
1 ASEANの地域秩序構想と役割認識の変遷
2 南シナ海におけるASEANのルール形成の取り組み
3 ASEAN主導のルール形成の効用と限界
おわりに
第7章 インドの複層的秩序認識と対外戦略[溜和敏]
はじめに
1 3つの秩序──地域,拡大近隣,世界
2 冷戦終結後の対外戦略と秩序認識
おわりに
第8章 ロシアの国際秩序構想──孤立の克服から東方シフトへ[加藤美保子]
はじめに
1 冷戦終結後のソ連/ロシアの世界認識と秩序構想
2 ロシアのアジア安全保障秩序観と日米同盟
おわりに
第9章 中国の新同盟論──安全保障秩序の新たな制度戦略[林載桓]
はじめに
1 中国の国際秩序観の特徴
2 国際秩序の制度的基盤と中国
3 中国の同盟認識の変容と「新同盟論」
4 ディスカッション──秩序再編の制度戦略
おわりに
終章 秩序をめぐる東アジアの国際政治[佐橋亮]
はじめに
1 本書の議論
2 トランプ外交と米中対立により高まる秩序移行の可能性
3 将来における東アジア秩序
4 日本に必要な秩序構想力
あとがき
索引
執筆者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。