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出版者情報
「核の忘却」の終わり
核兵器復権の時代
- 書店発売日
- 2019年6月29日
- 登録日
- 2019年5月28日
- 最終更新日
- 2019年6月25日
書評掲載情報
2023-05-13 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 阪田恭代(神田外語大学教授) |
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紹介
北朝鮮の核問題は解決にいたらず、米ロ間では緊張が高まっている。いま、地域や相手にあわせた新しい核戦略論が必要とされている!
かつてオバマ前米国大統領は核廃絶を唱え、専門家の間でも「核の忘却」が語られた。しかし近年、核兵器は復権しつつある。しかも地域や相手によって異なる認識枠組みが必要だ。本書では米中ロや欧州・南アジアそれぞれの核戦略、サイバーセキュリティと核兵器、核兵器による「世界の分裂」、そして日本にとっての核抑止を論じる。
目次
はじめに
序章 「核の復権」の現実[高橋杉雄・秋山信将]
1 核をめぐる二つの知的方向性
2 核兵器の「復権」
3 本書の論点
第1章 米国――核抑止戦略の再構築[高橋杉雄]
はじめに
1 冷戦期の核戦略をめぐる戦略的前提
2 冷戦終結と核戦略をめぐる前提の変化
3 プラハ演説から「核の復権」へ
4 核兵器「復権」後の核戦略の課題
おわりに
第2章 ロシア――ロシア版「エスカレーション抑止」戦略をめぐって[小泉悠]
はじめに
1 宣言政策と運用政策
2 「非対称戦略」としてのロシアの核ドクトリン
3 核戦力整備の実際
おわりに
第3章 中国――「最小限抑止」から「確証報復」への転換[神保謙]
はじめに――「非対称な均衡」の維持か脱却か
1 中国の核戦力――「最小限抑止」から「確証報復」へ
2 米中の核関係――暗黙の「戦略的安定性」の形成
おわりに
第4章 NATO――「核の忘却」の終焉?[戸﨑洋史]
はじめに
1 在欧戦術核撤去問題――1991~2012年
2 対ロ抑止態勢の強化――2013~2016年
3 トランプ政権とNATO――2017~2018年
4 核態勢強化と脅威低減の課題
おわりに
第5章 インド・パキスタン――「抑止のための兵器」の20年[栗田真広]
はじめに
1 パキスタンの核戦略・核態勢
2 インドの核戦略・核態勢
3 「核戦争遂行」との距離
おわりに――抑止の安定性をめぐって
第6章 核管理とサイバーセキュリティ[土屋大洋]
はじめに――サイバー戦場の霧
1 サイバースペースと情報技術
2 ハイブリッド戦争と戦略的安定性
3 堅牢なシステムの追求
第7章 「秩序の兵器」としての核と分裂する世界[秋山信将]
はじめに――核と国際政治を考えるための枠組み
1 核兵器の存在を規定する要因
2 「秩序の兵器」としての核
3 核兵器をめぐる新たな国際環境
4 核と道徳性――核をめぐる世界の分断
おわりに
終章 日本――世界で最も厳しい安全保障環境下での核抑止[高橋杉雄]
はじめに
1 拡大抑止に関する日本の宣言政策
2 北朝鮮に対する抑止
3 中国
おわりに
著者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。