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Xと云う患者 龍之介幻想 デイヴィッド・ピース(著/文) - 文藝春秋
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Xと云う患者 龍之介幻想 (エックストイウカンジャ リュウノスケゲンソウ)

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発行:文藝春秋
四六判
368ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-16-391001-7   COPY
ISBN 13
9784163910017   COPY
ISBN 10h
4-16-391001-8   COPY
ISBN 10
4163910018   COPY
出版者記号
16   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年2月20日
最終更新日
2019年3月11日
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書評掲載情報

2019-12-29 産經新聞  朝刊
評者: 池上冬樹(文芸評論家)
2019-05-11 日本経済新聞  朝刊
評者: 阿部公彦(東京大学教授・英文学)
2019-04-14 毎日新聞  朝刊
評者: 中島京子(作家)
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紹介

あの文豪の生涯と作品を織りまぜて、リシャッフルし、夢見直して、12の妖しい、美しいピースに仕立てた本。それだけで十分すごいが、さらにこの日本語版は、原文の独特のリズムを緻密に再現し、等しく妖美な作品を再創造している。奇跡のような一冊。
――柴田元幸

本書を読む者は 必ずや二度三度と 芥川の文学的狂気に侵される。

イギリス暗黒文学の旗手が、芥川龍之介の生涯を恐るべきヴィジョンと魔術的な語りを通じて幻想文学として語り直す。

芥川龍之介。東方と西方の物語と伝承と信仰に魅せられた男。そのなかで静かに渦を巻く不安。それがページから少しずつ滲み出す。

半透明の歯車が帝都を襲った震災の瓦礫の彼方にうごめき、頽廃の上海の川面には死んだ犬が浮き沈み、長崎には切支丹の影が落ち、己が生み出した虚構の分身が動き出し、そして漱石がロンドンでの怪異を語る。河童。ポオ。堀川保吉。ドッペルゲンゲル。鴉。マリア像。歯車。羅生門、藪の中、蜘蛛の糸、西方の人――キリスト。私のキリスト。

ジェイ・ルービン訳の芥川作品をピース自身の呪術的な語りとコラージュし/マッシュアップし/リミックスして生み出した幻想と不安のタペストリーを、コーマック・マッカーシーやリチャード・パワーズらを手がけた黒原敏行が芥川自身の文章と精密によりあわせて完成させた日本語版。芥川と幻想ノワールの結合として、原語版以上の衝撃をもって読者を眩惑する。

災厄と文学、狂気と詩情、日本文学と英国文学、現代文学と近代文学、現実と幻覚……すべての境界をおぼろに融かしてゆく文学と翻訳のはなれわざ。

上記内容は本書刊行時のものです。