出版社にご相談ください。
書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
理不尽ゲーム
- 書店発売日
- 2021年3月26日
- 登録日
- 2021年2月13日
- 最終更新日
- 2021年3月23日
書評掲載情報
2022-02-12 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 秋草俊一郎(比較文学者) |
2021-06-05 |
毎日新聞
朝刊 評者: 沼野充義(名古屋外国語大学副学長・スラブ文学) |
2021-06-05 |
朝日新聞
朝刊 評者: 金原ひとみ(小説家) |
MORE | |
LESS |
紹介
欧州最後の独裁国家ベラルーシ。その内実を、小説の力で暴く。
群集事故によって昏睡状態に陥った高校生ツィスク。老いた祖母だけがその回復を信じ、病室で永遠のような時を過ごす一方、隣の大国に依存していた国家は、民が慕ったはずの大統領の手によって、少しずつ病んでいく。
10年後の2009年、奇跡的に目覚めたツィスクが見たものは、ひとりの大統領にすべてを掌握された祖国、そして理不尽な状況に疑問をもつことも許されぬ人々の姿だった。
時間制限付きのWi-Fi。嘘を吐く国営放送。生活の困窮による、女性の愛人ビジネス。荒唐無稽な大統領令と「理不尽ゲーム」。ジャーナリストの不審死。5年ごとの大統領選では、現職が異常な高得票率で再選される……。
緊迫の続く、現在のベラルーシの姿へとつながる物語。
“この小説が文学賞を受賞したとき、たくさんの賞賛とともに、批判の声もあがりました。
「そんなはずはない」というものでした" ――作者
【著者プロフィール】
サーシャ・フィリペンコ
1984年、ベラルーシのミンスク生まれ。サンクトペテルブルグ大学で文学を学ぶ。テレビ局でジャーナリストや脚本家として活動し、2014年に『理不尽ゲーム』で長編デビュー。本書は複数の文学賞にノミネートされ、「ルースカヤ・プレミヤ」(ロシア国外に在住するロシア語作家に与えられる賞)を受賞した。
現在も執筆を続けており、ノーベル賞作家スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチからも高く評価されている。
【訳者プロフィール】
奈倉有里 (なぐら・ゆり)
1982年東京生まれ。東京大学大学院卒。博士(文学)。訳書にミハイル・シーシキン『手紙』、リュドミラ・ウリツカヤ『陽気なお葬式』(以上新潮クレスト・ブックス)、ボリス・アクーニン『トルコ捨駒スパイ事件』(岩波書店)、『ポケットマスターピース10 ドストエフスキー』(分担訳、集英社文庫ヘリテージシリーズ)、『ナボコフ・コレクション マーシェンカ/キング、クイーン、ジャック』(分担訳、新潮社)など多数。
上記内容は本書刊行時のものです。