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哲おじさんと学くん 永井 均(著/文) - 岩波書店
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岩波現代文庫 学術428

哲おじさんと学くん 世の中では隠されているいちばん大切なことについて

発行:岩波書店
縦148mm 横105mm 厚さ10mm
重さ 140g
218ページ
定価 1,100円+税
ISBN
9784006004286
Cコード
C0110
一般 文庫 哲学
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年1月15日
書店発売日
登録日
2020年12月10日
最終更新日
2021年1月13日
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書評掲載情報

2021-02-21 読売新聞  朝刊
評者: 本多正一(文筆家)

紹介

学くんの疑問はいつも友だちや先生にわかってもらえない。自分は今、なぜこの世に存在しているのか。自然法則は「今までそうだった」だけなのに、なぜ未来もそうだとわかるのか。学くんの問いに哲おじさんが答えることで、さらなる疑問が生まれ、哲学的な議論へと発展していく。対話形式で永井哲学のエッセンスを伝える本。

目次

まえがき

哲おじさんと学くん――世の中では隠されているいちばん大切なことについて
第1話 僕が考えていることは人に理解してもらえない
第2話 なぜこんな「例外期間」が存在するのか
第3話 理性には公的な使い方と私的な使い方がある
第4話 しかし理性には超-公的な使い方もある
第5話 一人だけ異教徒の集団に紛れ込んでしまったみたい
第6話 気分に浸って想念を流し続けることは考えることではない
第7話 哲学には二種類の敵がいる
第8話 哲学は祈りを拒否する祈りである
第9話 本物の問題であると見なされること自体が嫌がられるような問題がある
第10話 問題を自分の悩みとしてではなく「あり方の謎」として捉える能力
第11話 なぜ「僕だから」では理由として通用しないのか
第12話 僕が問題にしたいことはいつももう終わってしまっている
第13話 今僕が問うていることと同じことはかつて一度も問われたことがない
第14話 それぞれの時における今と端的な今、それぞれの人における私と端的な私
第15話 あり方が逆になっている奴が一人だけいる
第16話 「~にとって」成立する主観的事実は客観的な主観性である
第17話 言語の本質的な機能が本当は存在している事実を語れなくする
第18話 最も重要な事実は他人と共有できない
第19話 並在的世界像と特在的世界像
第20話 脳が意識を作り出す仕組みはみな同じなのに、なぜ一つだけ実際に感じられる意識が存在するのか
第21話 学という人が僕である必然性はない
第22話 この世界には学という人は存在するが僕というものは存在しない
第23話 他人はゾンビかもしれないという懐疑は我々の議論とは関係ない
第24話 学が二人に分裂して一方が僕だった場合
第25話 安倍首相が二人に分裂したら二人とも対等に本物の安倍首相である
第26話 なぜかさの自覚が不可欠
第27話 私と今はすべてがその中に入るという点で似ている
第28話 私界未分と今永未分
第29話 私の心は特徴によっては識別できない
第30話 口が体に付いていることで二つの世界像が架橋される
第31話 デカルトが言いたいことは決して言えない
第32話 最も見かけ上の存在こそが最も疑う余地なく存在する
第33話 言葉が出る口に体が固定しているという事実が「私」という語に意味を与える
第34話 誰だかは知らなくても「私」の意味は分かるように、いつだかは知らなくても「今」の意味は分かる
第35話 今とは私の今でしかなく、私とは今の私でしかない
第36話 私を単なる一個人として世界から分化させ、今を単なる一時点として永遠から分化させる力
第37話 記憶は過去の自分という同格の他者とのコミュニケーション
第38話 問われうるということのうちにその答えがすでに示されている問い
第39話 僕が悟じいさんになることと今が三〇年前に戻ること
第40話 今がただ今でだけなくなることと、私がただ私でだけなくなること
第41話 色即是空と空即是色
第42話 驚くほど虚無的な教え
第43話 鎮痛剤を飲むのか覚醒剤をやめるのか
第44話 移動は痕跡を残さねばならない
第45話 時間の経過の二つの意味
第46話 私や今がこれから移動するのではなくもともとそうであったと想定する場合
第47話 素っ裸でなくなってちゃんとした服を着ないと客観的に実在できない
第48話 我々が論じているのは心と体の結びつきの問題ではない
第49話 そもそも存在しないものでも「絶対確実に」存在できる
第50話 デカルトの「私の存在証明」が他人に伝えられうるなら「神の存在証明」だってできる
第51話 「神の存在証明」はできないから、「私の存在証明」も他人に伝えられない
第52話 客観的世界の存在についての存在論的証明
第53話 登場人物が思考実験するだけで小説の世界は客観的に実在することになる
第54話 神は定義上「現実に存在する」といえる?
第55話 定義上「現実に存在する」ことで現実に存在できなくなってしまう?
第56話 神と私では「以下同様」の方向が逆である
第57話 超出しても超出してもどこまでも吸収されていくか、吸収されても吸収されてもどこまでも超出していくか
第58話 概念を超えて現に存在しているものの総体を世界と呼ぶ
第59話 世界こそが端的な特在的存在者である
第60話 この世界からただ現実性だけが奪われる可能性
第61話 固有の性質やまとまりとは独立の剝き出しの現実性というものがある
第62話 二次的に創られた贋の問題としての独我論
第63話 私であることが誰か他の人に移行したら世界に変化が起きる
第64話 学くんは私と今に関する素朴実在論者である
第65話 今にも過去と未来という対等の対立候補は存在する
第66話 今でないだけで実在する過去と、今でないのみならず実在もしない未来
第67話 明日の朝、目覚めた僕はこれまでの僕の体験を自分の体験として記憶している人であるにすぎないから
第68話 僕が死ぬことや学が僕でなくなることを考えるのはある種の分裂状況を考えることか
第69話 「私」の成立に関する二つの基準が分裂する可能性の議論は誰にでもあてはまる
第70話 同じでありえなさの種類が同じであるから
第71話 第三の世界像の成立
第72話 学くんは第三の世界像も認めない
第73話 世界は一枚の絵には描けない
第74話 時間が実在しないなら人間も実在しない
第75話 すべての人が、自分がそれを喋る口によって特定される人物であることを否定するような内容の主張を、その口からする
第76話 善悪の対立は並在系世界観の内部でしか意味を持たない
第77話 道徳的な善さに根拠を求めてしまう誤り
第78話 承認すべき根源的規範であると同時にそもそも規範ではない端的な事実でもある
第79話 たまたまこの目から見えて、たまたまこの口から喋れるから、あたかもこの人であるかのように生きる
第80話 人生は、何であるかは決して分からない、無理由にただ存在しているだけのもの
第81話 超-公的な使い方は超-私的な役割を担っている
第82話 哲学の別れ

あとがき
世の中の決まり事と違うことを考える意味について……………山下良道・永井 均
岩波現代文庫版あとがき

上記内容は本書刊行時のものです。