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ネルソン・マンデラ
分断を超える現実主義者
- 初版年月日
- 2021年7月20日
- 書店発売日
- 2021年7月26日
- 登録日
- 2021年6月10日
- 最終更新日
- 2024年4月11日
書評掲載情報
2021-09-18 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
二七年間の牢獄生活の後、アパルトヘイト撤廃に尽力、一九九四年に南アフリカ共和国黒人初の大統領となったマンデラ。不屈の生涯ゆえ「聖人」視されることも多いが、実際は冷静なプラグマティストだった。偏狭な国家主義と分断が再び広がる時代に、想像を超える「和解」を成し遂げた類まれな政治家の人生を改めて振り返る。
目次
はじめに――映画や本に描かれたマンデラ
略語一覧
第1章 首長の家に生まれて
一 人間主義(ウブントゥ)の「伝統」
誕生と少年時代/宮廷での経験/植民地化の二五〇年
二 ミッション教育
キリスト教とマンデラ/「黒い英国人」/フォートヘア大学
第2章 プラグマティストという天性
一 大都会のアフリカ人
ヨハネスブルクとマンデラ/アレクサンドラでの生活/ヴィッツ大学とバス・ボイコット
二 アフリカニズムと共産主義
改良主義の限界/ICU、共産党、第二次世界大戦/青年連盟/アパルトヘイト/共産党への接近
第3章 非暴力主義という武器
一 不服従運動とM計画
住民登録法とカラードおよびトロツキスト/インド系とガーンディー/不服従運動/M計画/マンデラの人物像と指導者像
二 自由憲章から反逆罪裁判へ
人民会議と自由憲章/反逆罪裁判/離婚と再婚
第4章 民族の槍
一 シャープヴィル虐殺
生体認証国家と女性たちの抗議/PACの結成とシャープヴィル虐殺/非常事態宣言から地下活動へ
二 武装闘争とその帰結
黒はこべ/アフリカとイギリスへの旅/逮捕/リヴォニア裁判
第5章 「誰もが彼に影響された」
一 監獄の内と外
ロベン島/アパルトヘイトの激化/看守たちの感化とANC/再びの苦難の時代から自伝の執筆へ
二 黒人意識運動からフリー・マンデラ・キャンペーンへ
黒人意識運動/家族への手紙/ウィニーの「流刑」とフリー・マンデラ・キャンペーン
三 釈放への道
政権の硬軟両様/暴力の応酬と交渉の開始/二人の大統領との会見/偶像化と背信の種
第6章 老獪な「聖人」
一 釈放から総選挙まで
釈放と諸外国歴訪/対話の進展とマンデラの役割/紛争の調停者/総選挙
二 マンデラ政権
権力の分有/虹の国の高揚感から国民党の連立離脱へ/真実和解委員会とその限界/外交/RDPからGEARへ
終 章
大統領退任後のマンデラ/マンデラの死とその後/プラグマティズムの功と罪
読書案内
あとがき
図版・地図出典一覧
関連年表
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。