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独ソ戦 絶滅戦争の惨禍 大木 毅(著/文) - 岩波書店
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岩波新書 岩波新書

独ソ戦 絶滅戦争の惨禍

発行:岩波書店
新書判
256ページ
定価 860円+税
ISBN
9784004317852
Cコード
C0222
一般 新書 外国歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年6月13日
最終更新日
2019年7月9日
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書評掲載情報

2019-09-08 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 藤原辰史(京都大学准教授、農業史研究者)

紹介

「これは絶滅戦争なのだ」。ヒトラーがそう断言したとき、ドイツとソ連との血で血を洗う皆殺しの闘争が始まった。日本人の想像を絶する独ソ戦の惨禍。軍事作戦の進行を追うだけでは、この戦いが顕現させた生き地獄を見過ごすことになるだろう。歴史修正主義の歪曲を正し、現代の野蛮とも呼ぶべき戦争の本質をえぐり出す。

目次

はじめに 現代の野蛮
 未曾有の惨禍/世界観戦争と大祖国戦争/ゆがんだ理解/スタートラインに立つために

第一章 偽りの握手から激突へ

第一節 スターリンの逃避
 無視される情報/根強い対英不信/弱体化していたソ連軍
第二節 対ソ戦決定
 征服の「プログラム」/想定外の戦局/三つの日付/陸軍総司令部の危惧/第一八軍開進訓令
第三節 作戦計画
 マルクス・プラン/ロスベルク・プラン/「バルバロッサ」作戦


第二章 敗北に向かう勝利

第一節 大敗したソ連軍
 驚異的な進撃/実情に合わなかったドクトリン/センノの戦い/自壊する攻撃
第二節 スモレンスクの転回点
 「電撃戦」の幻/ロシアはフランスにあらず/消耗するドイツ軍/「戦争に勝つ能力を失う」/隠されたターニング・ポイント
第三節 最初の敗走
 戦略なきドイツ軍/時間は浪費されたのか?/「台風」作戦/二度目の世界大戦へ


第三章 絶滅戦争

第一節 対ソ戦のイデオロギー
 四つの手がかり/ヒトラーの「プログラム」/ナチ・イデオロギーの機能/大砲もバターも/危機克服のための戦争
第二節 帝国主義的収奪
 三つの戦争/東部総合計画/収奪を目的とした占領/多元支配による急進化/「総統小包」
第三節 絶滅政策の実行
 「出動部隊」の編成/「コミッサール指令」/ホロコーストとの関連/餓えるレニングラード
第四節 「大祖国戦争」の内実
 スターリニズムのテロ支配/ナショナリズムの利用/パルチザン/ソ連軍による捕虜虐待


第四章 潮流の逆転

第一節 スターリングラードへの道
 ソ連軍冬季攻勢の挫折/死守命令と統帥危機/モスクワか石油か/「青号」作戦/妄信された勝利/危険な両面攻勢/スターリングラード突入/ネズミの戦争
第二節 機能しはじめた「作戦術」
 「作戦術」とは何か/「赤いナポレオン」の用兵思想/ドイツ東部軍の潰滅を狙う攻勢/解囲ならず/第六軍降伏/戦略的攻勢能力をなくしたドイツ軍
第三節 「城塞」の挫折とソ連軍連続攻勢の開始
 「疾走」と「星」/「後手からの一撃」/暴かれた実像/築かれていく「城塞」/必勝の戦略態勢/失敗を運命づけられた攻勢/「城塞」潰ゆ


第五章 理性なき絶対戦争

第一節 軍事的合理性の消失
 「死守、死守、死守によって」/焦土作戦/世界観戦争の肥大化/軍事的合理性なき戦争指導
第二節 「バグラチオン」作戦
 戦後をにらむスターリン/「報復は正義」/攻勢正面はどこか/作戦術の完成形
第三節 ベルリンへの道
 赤い波と砂の城/「共犯者」国家/ドイツ本土進攻/ベルリン陥落/ポツダムの終止符
終章 「絶滅戦争」の長い影
 複合戦争としての対ソ戦/実証研究を阻んできたもの/利用されてきた独ソ戦史

 文献解題
 略称、および軍事用語について
 独ソ戦関連年表
 おわりに

上記内容は本書刊行時のものです。