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資本主義の新しい形
- 書店発売日
- 2020年1月30日
- 登録日
- 2019年12月7日
- 最終更新日
- 2020年3月3日
書評掲載情報
2023-05-06 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 三日月大造(滋賀県知事) |
2022-04-16 |
朝日新聞
朝刊 評者: 諸富徹(京都大学教授・経済学) |
2021-10-09 |
朝日新聞
朝刊 評者: 石川健治(東京大学教授・憲法学) |
2020-04-04 | 日本経済新聞 朝刊 |
2020-03-22 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 奥山忠信(埼玉学園大学教授) |
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紹介
資本主義が「非物質化」の方向へと進化している.この変化の本質を見定めることによって,日本企業の産業競争力の低下,経済格差の拡大,温暖化対策の停滞といった諸問題に真に迫ることができる.日本経済をとりまく課題を理論的かつ包括的にとらえ,進むべき方向としての社会的投資国家のヴィジョンを明確に打ち出した迫力の一冊.
目次
はしがき
第一章 変貌しつつある資本主義
1 資本主義の本質──変わるものと変わらないもの
1 資本主義の変わらぬ本質/2 資本主義の進化としての「非物質化」/3 企業の競争優位源泉の非物質化
2 資本主義はどこへ行こうとしているのか
1 資本主義は「長期停滞」に入ったのか──サマーズの問題提起/2 「自然利子率の低下」が意味するもの/3 なぜ「投資機会の喪失」が起きているのか
3 長期停滞と日本経済
1 日本企業における「利益剰余金(内部留保)」の増加傾向/2 投資の停滞/3 分岐点としての二〇〇〇年
第二章 資本主義の進化としての「非物質主義的転回」
1 資本主義の「非物質主義的転回」とは何か
1 知識産業、脱工業化、ポスト資本主義/2 「非物質主義的転回」の定義/3 資本の非物質化/4 労働の非物質化/5 消費の非物質化
2 経済学における「非物質主義的転回」
1 ソローの新古典派成長モデルとその限界/2 人的資本と内生的成長論──その意義/3 研究開発とシュンペーター的「創造的破壊」
3 マクロ経済における資本主義の「非物質化」
1 資本主義発展における無形資産投資の重要性/2 無形資産投資の推計/3 日本における無形資産投資の停滞/4 無形資産投資の経済成長・産業構造転換へのインパクト/5 無形資産投資の経済政策・産業政策上の含意
第三章 製造業のサービス産業化と日本の将来
1 日本企業の国際競争力低下
1 象徴としての電機産業の凋落/2 労働生産性と収益率の低下/3 設備投資の低迷/4 なぜ無形資産投資の重要性を理解できなかったのか/5 何のためのICT投資か
2 資本主義の非物質主義的転回としての「脱炭素化」
1 資本主義の死命を制する脱炭素化/2 新しい投資機会としての脱炭素化/3 脱炭素化を前に立ち止まる日本/4 脱炭素化と経済成長は両立する/5 脱炭素化と産業構造の転換/6 産業政策上の政策手段としての「カーボンプライシング」
3 「製造業のサービス産業化」と日本の製造業の将来展望
1 製造業のサービス産業化とは何か/2 製造業のサービス産業化と第四次産業革命/産業のデジタル化/3 製造業のサービス産業化はどのように進行したのか/4 「サービスで稼ぐ」製造業
第四章 資本主義・不平等・経済成長
1 現代資本主義と不平等・格差の拡大
1 「経済の非物質主義的転回」は何をもたらすのか/2 不平等と格差の拡大/3 何が格差拡大を生み出しているのか/4 人工知能(AI)は格差を拡大させるか/5 ベーシックインカムより人的資本への投資を
2 「公共投資国家」・「福祉国家」から「社会的投資国家」へ
1 社会的投資国家とは何か/2 経済成長戦略としての人的資本投資政策/3 スウェーデンの良好な経済パフォーマンスの秘密/4 経済安定化政策としての積極的労働市場政策
終 章 社会的投資国家への転換をどのように進めるべきか
1 資本主義新時代の経済政策
2 人的資本投資の拡充
1 少なすぎる民間企業の人的資本投資/2 日本政府の過少な人的資本投資/3 「日本版積極的労働市場政策」としての雇用保険制度/4 権利としての職業教育訓練
3 「同一労働・同一賃金」、賃金上昇、マクロ経済政策
1 本来の「同一労働・同一賃金」とは何か/2 「労働者は守るが、企業は守らない」/3 マクロ経済政策でどう合意形成するか/4 産業構造転換の促進手段としての同一労働・同一賃金
4 脱炭素化へ向けた産業構造転換
1 「非物質化」と「脱炭素化」の同時達成を/2 脱炭素化に向けた産業構造転換の加速/3 カーボンプライシングの導入/4 日本経済の将来展望
注
参考文献
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。