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つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史 岸本 宏子(著) - アルテスパブリッシング
.

つながりと流れがよくわかる 西洋音楽の歴史

A5判
264ページ
並製
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-86559-227-6
Cコード
C1073
教養 単行本 音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年10月31日
書店発売日
登録日
2020年9月24日
最終更新日
2020年10月27日
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書評掲載情報

2020-11-15 読売新聞  朝刊

紹介

クラシック音楽はどこから来て、どこへ向かうのか?
神の音楽から人の音楽へ、そして世界音楽の時代へ──。
因果関係(ストーリー)が見える納得の音楽史!

西洋音楽の「西洋」って?
その基盤となった古代ギリシャの音楽観とは?
多大な影響を与える3大宗教とは?──

クラシック音楽の解説本は数あれど、
その成り立ちから「そもそも」のところを
わかりやすく教えてくれるのはこの本だけ。

「1 西洋音楽ができるまで」
「2 神の音楽から人の音楽へ」
「3 西洋音楽のたたわな実り、そして……」の3部構成で、
たんなる作曲家や作品のカタログではなく、
西洋音楽の流れを解きほぐし、
初心者にも理解できるように書かれています。

重要トピックを取り上げたコラムには、
面白かわいいイラストも満載!

◎執筆担当
岸本宏子:中世~ルネサンス、ごあいさつ、序章、終章、あとがき
酒巻和子:バロック~古典派担当
小畑恒夫:オペラ担当
石川亮子:ロマン派、近現代担当
有田 栄:近現代担当

目次

 ごあいさつ

序章 はじめに知っておきたいこと

西洋とは
  ヨーロッパ大陸の主人公たち
  フランク王シャルル、西ローマ皇帝に

ポイント1 古代ギリシャの音楽観と西洋音楽
  アポロンとディオニュソス
  音楽のシステムは小宇宙
  音楽には役割がある
  現在のヨーロッパ世界への影響

 コラム◆ギリシヤ神話にみる音楽観

ポイント2 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教
  ユダヤ教
  キリスト教
  イスラム教

 コラム◆ヨーロッパ、3つの主人公と3つの宗教

1 西洋音楽の始まり[中世~ルネサンス]

第1節 教会の歌──祈りの歌
  フランク王国とローマ教会
  グレゴリオ聖歌と付け足し加工
  オルガヌムと多声音楽
  大問題発生──音楽と時間

 コラム◆中世ヨーロッパの成立とグレゴリオ聖歌
    ◆グレゴリオ聖歌
    ◆トロープスとオルガヌムの歴史

第2節 宮廷歌人の歌──心の歌
  もうひとつの出発点
  詩をつくって歌う宮廷人たち

 コラム◆トルバドゥールと宮廷歌人の歌

第3節 技術改革の時代「アルス・ノヴァ」──決定版・音楽づくりの道具
  『アルス・ノヴァ(新技術)』までの道のり
  素材の加工から創作へ
  響きも形も美しい歌をめざして──ルネサンスへの道

 コラム◆目で見る記譜法の歴史
    ◆年表1
    ◆ルネサンス以前の音楽と歌の作り方
    ◆中世の音楽人と宮廷歌人たち

第4節 ルネサンス時代の音楽
  ルネサンスの到来
  第一期 新旧様式の交代期──ブルゴーニュ楽派
  第二期 ルネサンス様式の確立──フランドル楽派
  第三期 ルネサンス様式の完成と爛熟──イタリア
  バロックに向けての二つの底流
  楽器と音楽
  宗教と音楽

 コラム◆あなたも知っているルネサンス
    ◆ルネサンス第21期 ブルゴーニュ楽派
    ◆ルネサンスの音楽人 第1期と第2期
    ◆ルネサンス第2期 フランドル楽派
    ◆ルネサンス第3期 イタリア人の時代
    ◆ルネサンスの音楽人 第3期 イタリア
    ◆ルネサンスの音楽人 イタリア以外
    ◆ルネサンスの音楽人 音楽理論家ほか

2 「神の音楽」から「人の音楽」へ[バロック~古典派]

それは激しい感情を訴える独唱歌曲から始まった
  モノディ様式

 コラム◆通奏低音

第1節 声のドラマ オペラと声楽曲
  「モノディ様式」以前のドラマ
  オペラの誕生──フィレンツェ
  マントヴァとモンテヴェルディ
  ローマ
  ヴェネツィアと商業劇場の発展
  ヨーロッパ諸国へひろがるオペラ
  オペラ以外の声のドラマ──オラトリオ、カンタータ
  ナポリ派の隆盛
  メタスタージオとオペラ・セリア
  喜劇オペラ──「ブッファ」と「インテルメッゾ」
  グルックのオペラ改革
  一八世紀後半──ナポリ派の国際化
  古典派時代のオペラ──モーツァルト

 コラム◆モンテヴェルディ①②
    ◆カストラートの活躍
    ◆リュリとモリエール
    ◆ヘンデル オペラ&オラトリオ
    ◆ヘンデルと劇音楽
    ◆オペラの分類
    ◆オペラ・セリアとオペラ・ブッファ
    ◆劇場運営

第2節 音のドラマ──バロックの器楽
  ひとつの楽章のなかのドラマ、多楽章によるドラマ
  組曲
  バロック時代のソナタ
  1 演奏形態による分類
  2 楽章構成による分類
 バロック時代のコンチェルト(協奏曲)
  1 コンチェルト・グロッソ(合奏協奏曲)
  2 ソロ・コンチェルト(独奏協奏曲)
  フーガ
  即興的な形式
  変奏曲
  コラール前奏曲

 コラム◆宮廷での舞踏会
    ◆アルカンジェロ・コレッリのトリオ・ソナタ
    ◆J.S.バッハ《ブランデンブルク協奏曲》の編成
    ◆J.S.バッハとバッハ・ファミリー
    ◆バロック時代の鍵盤楽器
    ◆クレモナの名工──ヴァイオリン製作者たち
    ◆バロックの演奏習慣

第3節 絶対音楽の完成にむけて──古典派への道
  後期バロックから初期古典派へ
  ギャラント様式
  多感様式
 初期の交響曲
  ミラノ
  マンハイム
  ベルリン
  ウィーン

第4節 交響曲の誕生とソナタ形式──古典派の時代
 管弦楽曲──交響曲とコンチェルト
  交響曲
  コンチェルト(協奏曲)
  セレナード、ディヴェルティメントなど
 室内楽曲と独奏曲
  弦楽四重奏曲
  ソナタ

 コラム◆ソナタ
    ◆ソナタ形式の調のプラン
    ◆モーツァルト
    ◆ベートーヴェン

3 西洋音楽のたわわな実り、そして……[ロマン派~現代]

第1節 音の魔術師たち ロマン派のオーケストラ音楽とピアノ音楽
  オーケストラ音楽
  一九世紀前半──シューベルトからベルリオーズまで
  一九世紀後半──交響詩の成立と交響曲の復活
  ピアノとピアノ音楽
  ピアノと家庭音楽、サロン音楽とヴィルトゥオーゾ
  性格的小品

 コラム◆ロマン派生まれの音楽文化
    ◆ロマン派におけるオーケストラ
    ◆絶対音楽と標題音楽

第2節 声の魔術師たち ロマン派のオペラと歌曲
 フランスのオペラ
  革命期
  一九世紀前半
  一九世紀後半
 イタリアのオペラ
  ロッシーニの偉大な仕事 
  ベッリーニとドニゼッティ
  巨人ヴェルディ 
  ヴェルディ以後──ヴェリズモ
 ドイツとオーストリアのオペラ
  ヴァーグナー以前
  未来の芸術作品──ヴァーグナーの仕事
  ヴァーグナー以後──R.シュトラウス
  歌曲──詩とピアノの出会い
  シューベルトによるリートの確立
  リートの発展と各国への広がり

 コラム◆楽器の王者ピアノの歴史と完成
    ◆グランド・オペラ
    ◆ベル・カント
    ◆オペラ用語集

第3節 国民楽派とロマン派の黄昏
  国民楽派
  ロシア、東欧、北欧
  フランス、スペイン、イギリス
  ロマン派の黄昏──R.シュトラウスとマーラー

 コラム◆《モルダウ》と国民楽派の交響詩

第4節 近代の音楽──枠組みの変化と多中心化
 二〇世紀という時代
 第一次世界大戦までの音楽
  「調性」からの解放──印象主義と表現主義
  「リズム」の解放とノイズの音楽──原始主義と未来主義
  西欧の外へのまなざし
 両大戦間の音楽
  新古典主義の音楽
  十二音技法の確立
  ジャズとキャバレーの音楽
 社会の動きと音楽──ソヴィエト連邦、そしてナチス・ドイツ

 コラム◆20世紀音楽の流れ(超早わかり!)
    ◆バレエ・リュス旋風
    ◆十二音技法ミニ解説
    ◆ストラヴィンスキー
    ◆シェーンベルク&新ウィーン楽派

第5節 現代の音楽──そして新たなる「音楽」への問いかけ
 戦後音楽の再出発
 前衛音楽の時代
  前衛音楽の始まり──総音列主義(トータル・セリエリスム)
  「管理された偶然性」
  その他の前衛──それぞれの道
 アメリカ実験音楽とミニマル・ミュージック
  アメリカ近代──実験音楽への道のり
  ケージと「偶然性の音楽」
  図形楽譜とミニマル・ミュージック
 テクノロジーと音楽
 アジアと日本の現代音楽

 コラム◆ブーレーズ
    ◆20世紀のオペラとミュージカル

終章 終わりの始まり

 復習 西洋音楽史の始まり
 いささか個人的なあと書き──西洋音楽史とは?
 人名索引

前書きなど

ごあいさつ

みなさんこんにちは

 モーツァルトやベートーヴェン、それにショパンやヴェルディ――。みなさんは、こういった作曲家たちの音楽がなぜ、どのように生まれ、育ったのかを知りたいと思って、この本を手にとってくださったのではないでしょうか。ここでは西洋の音楽、つまりみなさんがクラシック音楽と呼んでいる音楽が、どのように生まれ育って、モーツァルトやベートーヴェン、それにショパンやヴェルディの音楽が生まれたかを、じっくりお話ししていきたいと思います。

いくつかの大切なこと

 でもその前に、いくつかの大切なことを確認しておきたいのです。

ポイント1
 もしかしてみなさんは、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、ヴェルディといった作曲家の伝記を並べれば、それが「西洋音楽の歴史」だと思ってはいないでしょうか。
 ほんとうの「西洋音楽の歴史」は「西洋」の「音楽」の「歴史」、つまり、「西洋」の「音楽」が、どのように始まり、なぜ、どのように変化してきたかをたどることです。そのなかには、当然、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、ヴェルディたちの音楽も含まれることになります。
 またみなさんは、音楽はドレミを使ってできていてあたりまえ、いくつもの音が美しく重なり合ってひびくようにプログラムされていてあたりまえ、それが音楽という世界共通語なのだから、と信じていたりしないでしょうか。
 しかしながら私たちが「私たちの音楽」と信じているのは、実は明治維新になってから、欧米から輸入されたものです。明治政府が新しい近代的な教育システムをつくっていくときに、音楽という科目を初等教育に採り入れることを決定し、すべての国民が西洋の音楽を学ぶようにしたのです。だから、現在の日本人にとって音楽といえば、西洋音楽、特にクラシック音楽のことになっています。
 でも、美術、文学などの芸術にくらべて、西洋音楽はもっと特殊なものです。ある時代に、ある狭い地域で、特殊な状況のもとに生まれ育ち、一〇〇〇年以上の年月をかけて花を咲かせ、実を結び、今日では、日本だけではなく世界中の人々に感動を与えるようになりました。
 つまり、私たちは、実は西洋に生まれ、一〇〇〇年以上かけて立派に育った音楽の、その熟れた果実だけを食べているというわけです。果実の味を楽しみたいだけならそれで十分かもしれませんが、もっと深く音楽を理解するには、歴史を知ることが助けになります。

ポイント2
 イギリスのある著名な音楽家が「日本の音楽家は西洋音楽を理解していると思われますか」と聞かれて、「もちろんですよ」と答えました。彼は続けて言いました。「もし、日本人に何か不足するものがあるとすれば、それは、西洋音楽の基盤となる社会・文化的な要素を十分に理解していないということです。たとえばギリシャ神話とかキリスト教とか――。技術的には見劣りしないけれどね」(二◯一◯年二月に昭和音楽大学でおこなわれた公開講座でのクリストファー・ホグウッドの発言)。
 これが大事なことなのです。日本は、音楽の知識や技術は上手に輸入したけれど、そのバックグラウンドを知ることの重要性には、ほとんど注意が向けられてきませんでした。それでもやはり「西洋音楽の基盤となる社会・文化的な要素」を理解することが、西洋音楽の歴史を理解することにつながり、それがクラシック音楽のより深い理解へとつながっていくのです。

ポイント3
 困ったことに「西洋音楽の歴史は、偉大な作曲家の伝記を繋つなげれば理解できる」と考えている人がほとんどで、しかもたいてい、西洋音楽の歴史はバッハに始まると思われています。
 だからこの本では、「西洋」の「音楽」が、実はバッハより何百年も前にさかのぼる歴史をもっていることや、それがどのように始まり、なぜ、どのように変化してきたかという、基本的なバックグラウンドを含めて、お話ししたいと思います。
 ではまず、西洋というものが何なのか、そして西洋音楽が、いつ、どこで、どのように始まったのか、それから、西洋音楽は特殊な音楽ということであるならば、それがどういうことなのかから、お話ししていくことにしましょう。

著者プロフィール

岸本 宏子  (キシモト ヒロコ)  (

1943年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科を経て、同大学院修士課程修了。その後、フルブライト奨学生として渡米。プリンモア・カレッジ大学院博士課程に進学し、哲学博士号(音楽学)取得。さらにシモンズ・カレッジ大学院修士課程に学び、科学修士号(図書館情報学)取得。2002年から昭和音楽大学教授を務め、現在、同名誉教授。専門分野はイタリア・ルネサンスのマドリガーレ、音楽図書館学、歌声にかんする科学的研究。主な著作に『ルネサンスの歌物語』、『歌唱の仕組み──その体系と学び方』(共訳)などがある。

酒巻 和子  (サカマキ カズコ)  (

1951年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科を経て、同大学院音楽研究科修士課程修了。音楽学を専攻し、西洋音楽史、とくにバロック時代の音楽を主な研究分野とする。現在、昭和音楽大学教授、同大学院研究科長および附属図書館長。著書に『教会カンタータの成立と展開──バロック音楽の諸相』(共著、アカデミア・ミュージック)、『ドレスデン都市と音楽──ザクセン選帝侯ヨハン・ゲオルク2世の時代』(共著、東京書籍)、訳書に『自伝ホセ・カレーラス──奇跡の復活』(音楽之友社)など。

小畑 恒夫  (オバタ ツネオ)  (

1952年大阪生まれ。2006年から昭和音楽大学教授を務め、現在、同名誉教授。NPO日本ヴェルディ協会理事長。東京藝術大学卒業(声楽)。イタリア留学後、研究・評論分野で活動。主な研究分野はオペラ史、イタリア・オペラ歌唱史。著書に『作曲家・人と作品ヴェルディ』(音楽之友社)、『ヴェルディのプリマ・ドンナたち──ヒロインから知るオペラ全26作品』(水曜社)、訳書にタロッツィ『評伝ヴェルディ』(草思社)、ニコラーオ『ロッシーニ仮面の男』(音楽之友社)など多数。

石川 亮子  (イシカワ リョウコ)  (

1972年広島市生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科、同大学院音楽研究科修士課程を経て、同博士後期課程修了。博士(音楽学)。2001~03年、オーストリア政府給費留学生として、ウィーン大学に留学。船山隆、ゲルノート・グルーバーの各氏に師事。アルバン・ベルクを中心に、ロマン派から近現代の西洋音楽史を専門とし、曲目解説の執筆やドイツ語翻訳なども手がける。現在、昭和音楽大学准教授、武蔵野音楽大学および東京藝術大学非常勤講師。

有田 栄  (アリタ サカエ)  (

1964年生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。博士(音楽学)。専門は現代の音楽・音楽美学。西洋芸術音楽における声の文化とその伝統をテーマに研究を行う一方、音楽を身近に感じられるテーマでの解説・エッセイなどの執筆や、ラジオ・テレビ音楽番組への出演、また公開講座や講演などをつうじて、古楽から現代音楽までのさまざまなジャンルの音楽の紹介につとめている。現在、昭和音楽大学教授。NHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」番組レギュラー・パーソナリティ。著書に『わからない音楽なんてない!──子どものためのコンサートを考える』(共著、アルテスパブリッシング)ほか。

河合 千明  (カワイ チアキ)  (イラスト

1962年、静岡県浜北市(現浜松市)生まれ。グラフィックデザイナー、イラストレーター。1990年よりフリーランスとして独立。書籍、雑誌、会社案内、大学案内、企業のPR誌などのエディトリアルデザインを中心に活動中。近年は自身のデザイン内でイラストも描くようになった。デザインとイラストを担当した書籍に『おとなのための俊太郎[CDブック]』ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。