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物語として読む 全訳論語 決定版
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年4月10日
- 書店発売日
- 2019年4月10日
- 登録日
- 2019年3月6日
- 最終更新日
- 2023年12月1日
書評掲載情報
2019-06-16 |
読売新聞
朝刊 評者: 加藤徹(明治大学教授、中国文化学者) |
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重版情報
3刷 | 出来予定日: 2023-11-30 |
2刷 | 出来予定日: 2021-01-30 |
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紹介
『論語』を、孔子と弟子のやりとりを描いた物語として読む。
すると、大古典の新しい姿が見えてくる。
好評を博した『全訳論語』(東京堂出版)の著者が、訳文を刷新。
じんわり深いエッセイ風解説を付した決定版。
これなら、最後まで読み通せる!
・他人と自分
・学びと仕事
・こころとかたち
・政治と世の中
……など、人生のモヤモヤをときほぐすヒントがたくさん
『論語』は孔子の言行を弟子たちが記録・編集したもので、全20 篇509 章は普通、そのまとまり(篇)や順序には特別に意味のない断片の集まりとされています。そのように読んでいても不都合はありませんが、そうおもわないで読んでみると、つまり、それなりの流れがあるのではないか、とおもって読むと、読みつくされた『論語』の新しい姿が見えてきました。
『論語』は「儒教の経典」というとっつきにくいものではなく、そこには孔子が弟子に向けて伝えた肉声がピチピチと息づいている最高の「人生指南書」です。
目次
学而第一 学問をこころざすものの心得
為政第二 政治にたずさわるものの心得
八佾第三 秩序正しい礼楽のありかた
里仁第四 仁愛にもとづいた生きかた
公冶長第五 古人および門人の賢否得失
雍也第六 ひとの上にたつものの心得
述而第七 教育をおこなうものの心得
泰伯第八 古人の修己治人のありかた
子罕第九 日常生活におけるこころがけ
郷党第十 他人とのまじわりのありかた
先進第十一 孔門の弟子たちの才学徳行
顔淵第十二 人間関係の基本的ありかた
子路第十三 治国修身の基本的ありかた
憲問第十四 身のふるまいの功罪を論ずる
衛霊公第十五 不如意のさいの身の処しかた
季氏第十六 社会人として心得るべきこと
陽貨第十七 出処進退のあるべきありかた
微子第十八 隠れて生きるという生きかた
子張第十九 門人の言葉に見られる孔子像
堯曰第二十 あらまほしき文明の継承とは
前書きなど
ある学生に「ボクはなんのために生きているのでしょうか?」と藪から棒にたずねられた。「わかりっこない」とはぐらかすことをゆるさないような顔つきだった。
しばし思案にくれてから、ぼくはいった。「その問いに答えはないんじゃないかな。問いそのものがすでに答えだから。そんなふうに問うことができるっていうことが、生きているっていうことなんだよ」。
その学生はいまひとつ腑に落ちないというおももちで去っていった。
嗚呼! ぼくにせめて孔子の爪の垢くらいの見識があったら、もっとちゃんと答えてやれたのに。
ぼくはなんのために生きているのだろうとつぶやきながら研究室にもどり、さっそく『論語』をひもとき、孔子の言葉をくりかえし味わっているうちに「ひょっとすると」という雲をつかむような、はなはだ要領をえない、なんともはや曰くいいがたいモヤモヤがわいてきた。で、そのモヤモヤの正体をたしかめるために、ぼくは『論語』の全文をふたたび訳しなおしてみることにした。
上記内容は本書刊行時のものです。