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郊外の記憶 鈴木 智之(著) - 青弓社
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9784787234957

郊外の記憶 文学とともに東京の縁を歩く

社会一般
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発行:青弓社
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ21mm
重さ 394g
292ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-3495-7   COPY
ISBN 13
9784787234957   COPY
ISBN 10h
4-7872-3495-1   COPY
ISBN 10
4787234951   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年9月7日
書店発売日
登録日
2021年7月19日
最終更新日
2021年9月10日
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書評掲載情報

2021-10-10 読売新聞  朝刊
評者: 尾崎真理子(早稲田大学教授)
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紹介

多和田葉子や三浦しをん、北村薫が東京の郊外を舞台に描く小説を読み、その町を実際に歩く――。この実践を繰り返すことで、郊外に眠る戦争の残痕や失われた伝統、開発の記憶、人々の生活史をよみがえらせ、「均質な郊外」に別のリアリティーを浮上させる。

目次

まえがき

序 章 土地の記憶と物語の力――「郊外」の文学社会学のために
 1 時空間の形象としての小説
 2 見えない者がここにいるということ
 3 記憶喪失都市?
 4 記憶なき場所としての郊外?
 5 記憶喪失に抗する身体/都市空間に露出する痕跡
 6 土地の記憶を掘り起こす営みとしての「町歩き」――赤瀬川原平からタモリを経て中沢新一まで
 7 土地の記憶を創出する装置としての「聖地巡礼」
 8 郊外のクロノトポスへ

第1章 記憶の説話的媒介――多和田葉子『犬婿入り』と三浦しをん『むかしのはなし』を読む
 1 土地の記憶を呼び起こす営みとしての物語
 2 多和田葉子『犬婿入り』
 3 三浦しをん「懐かしき川べりの町の物語せよ」
 4 説話的記憶と郊外の町の物語

第2章 越境の場所――『犬婿入り』の「町」を歩く
 1 現実空間の「写像」としての物語空間
 2 物語空間の「原因」としての現実空間
 3 「町」を探す――立川・柴崎から矢川・谷保あたりへ
 4 「町」の歴史的な成り立ち――その古い地層の露出
 5 「町」を歩く
 6 「境」――物語を生み出す場所

第3章 「町田」と「まほろ」のあいだ――三浦しをん「まほろ駅前」シリーズの「町」を歩く
 1 「まほろ」――町田の表象としての
 2 作品の基本的な骨格
 3 疑似探偵小説としての「まほろ駅前」シリーズ
 4 裏返しの家族小説としての「まほろ駅前」シリーズ
 5 「家族の箱(ルビ:ブラックボックス)」の並列空間としての郊外
 6 他者の救済による自己の救済という物語
 7 トラウマの共鳴体
 8 町田を書き写すテクスト
 9 「まほろ」のトポグラフィー
 10 捉えがたき町としての町田
 11 「まほろ」と町田――その照応関係とずれ
 12 「ジモト」としての「まほろ」
 13 ユートピアとしての「まほろ」

第4章 郊外のアースダイバー――長野まゆみ『野川』における自然史的時空間の発見
 1 野川という場所
 2 大岡昇平『武蔵野夫人』の地理学的想像力
 3 長野まゆみ『野川』
 4 自然史的時空間の発見
 5 「鳥」の視点
 6 地形の発見、記憶の回帰――アースダイバーとしての井上音和
 7 「野川」から野川へ
 8 音和の視点を探して――『野川』の舞台を歩く
 9 複数の時間――『野川』の地理学的想像力

第5章 記憶の伝い――古井由吉『野川』、あるいは死者たちの来たる道
 1 「恐怖の始まり」
 2 『野川』の作品構成
 3 「死者たちの集まり」――井斐の話:1
 4 野川から荒川へ――井斐の話:2
 5 「父を置き去りにする」――井斐の話:3
 6 「境」としての野川
 7 野川のほとりを歩く――井斐の視点を探して
 8 「郊外」の人としての古井由吉
 9 記憶の伝い、あるいは死者への「転移」としての語り
 10 「ノーエ節」あるいは不条理にはしゃぐ身体

第6章 この平坦な町で大人になっていくということ――北村薫「円紫さんと私」シリーズの「町」と「路」
 1 北村薫「円紫さんと私」シリーズでの郊外の「町」
 2 平坦地――「川」と「道」のトポグラフィー
 3 郊外都市としての春日部――高度経済成長期の発展
 4 過渡の風景
 5 「無印の優等生」としての「私」
 6 謎解きと成長
 7 「町」と「謎」、あるいは社交の形式としての郊外
 8 この平坦な「郊外の町」で大人になっていくこと
 9 「町」と「路」の関わり
 10 成長の条件としての「路」

終 章 記憶の場所としての郊外

あとがき

版元から一言

戦後の郊外住宅地の開発は、そこにあった地域生活を大きく変容させ、平板で奥行きがない空間を作り出してきた。一方で、近年では郊外や街の何げない場所に過去の痕跡を探り、その土地の固有性に光を当てる「街歩き」や「聖地巡礼」が注目されてもいる。では、郊外という均質な空間に眠る固有性は、どうすれば掘り起こすことができるのだろうか。

多和田葉子や三浦しをん、北村薫が東京の郊外を舞台に描く小説を読み、その街を実際に訪れ、ありふれた風景のなかを1人でゆっくり歩く。そしてあらためて小説を読み、また街を歩く――。この実践を繰り返すことで、場所・時間・物語の交差点に浮かび上がる「土地の記憶」に光を当てる。

東京の縁を読むことと歩くことを通して、郊外に眠る戦争の残痕や失われた伝統、開発の記憶、人々の生活史をよみがえらせ、「均質な郊外」に別のリアリティーや可能性を浮上させる。

著者プロフィール

鈴木 智之  (スズキ トモユキ)  (

1962年、東京都生まれ。法政大学社会学部教授。専攻は理論社会学、文化社会学。著書に『村上春樹と物語の条件――『ノルウェイの森』から『ねじまき鳥クロニクル』へ』『「心の闇」と動機の語彙――犯罪報道の一九九〇年代』『顔の剥奪――文学から〈他者のあやうさ〉を読む』(いずれも青弓社)、『眼の奥に突き立てられた言葉の銛――目取真俊の〈文学〉と沖縄戦の記憶』(晶文社)、訳書にアーサー・W・フランク『傷ついた物語の語り手――身体・病い・倫理』(ゆみる出版)など。

上記内容は本書刊行時のものです。