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黒人と白人の世界史 オレリア・ミシェル(著) - 明石書店
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9784750352305

黒人と白人の世界史 「人種」はいかにつくられてきたか
原書: Un monde en nègre et blanc - Enquête historique sur l'ordre racial

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発行:明石書店
四六判
376ページ
上製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-7503-5230-5   COPY
ISBN 13
9784750352305   COPY
ISBN 10h
4-7503-5230-6   COPY
ISBN 10
4750352306   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年10月25日
書店発売日
登録日
2021年9月22日
最終更新日
2021年11月5日
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書評掲載情報

2021-11-21 産經新聞  朝刊
評者: 西谷修(東京外語大学名誉教授)
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紹介

「ヨーロッパ人は、アフリカ人を奴隷にしたために人種主義者になった」。本書は、大西洋奴隷貿易、奴隷制、植民地主義とともに、「人種」がどのように生み出され、正当化されていったのかを歴史的に解明する。ル・モンド紙が「まるで小説のように読める」と評す、人種の歴史の新たな基本書。

目次

 序文
 イントロダクション――ニグロと白人、言葉の歴史

第Ⅰ部 奴隷制と帝国

第1章 奴隷という制度
 制度としての奴隷
 奴隷制の社会的意味

第2章 サハラ砂漠以南のアフリカにおける奴隷制
 古代以来のナイル川北部とサハラ砂漠の商業上の地位
 アラブ世界の拡大と奴隷売買ルートの発展
 西アフリカにおける奴隷交易国の形成
 奴隷制の歴史的重み

第3章 ヨーロッパのダイナミズム
 ヨーロッパ建設における一つのパラドックス
 一五世紀の南大西洋におけるポルトガル人とカスティーリャ人
  〇大西洋の植民地化のメカニズム
  〇交易の支配
 大西洋の農園

第4章 アメリカの発見
 アメリカにおける事業
 インディアンの奴隷化
 “ニグロ”貿易

結論 奇妙な帝国


第Ⅱ部 ニグロの時代

第5章 ニグロのプランテーション(一六二〇~一七一〇年)
 プランテーション――ブラジルからカリブ海の島々まで
 ブラジルからカリブ海の島々に向かったオランダ人
 黒人奴隷貿易国
 一八世紀への変わり目における植民地拡大

第6章 不可能な社会(一七一〇~一七五〇年)
 捕獲という奴隷生産
 拉致からプランテーションまでの「長い旅」
 プランテーションと良い農園主
 不安定な秩序
 ニグロという虚構

第7章 危機に向かって(一七五〇~一七九四年)
 経済発展の危機――入植と奴隷貿易の対立
 フランスにおけるパラダイムの変化
 奴隷制と奴隷貿易への異議
 人種隔離主義、“血の純潔”および植民地の階級化
 パリとサン=ドマングの間の革命危機

結論 ニグロと暴力


第Ⅲ部 白人の支配

第8章 ドミ・ネーション(一七九〇~一八三〇年)
 徴用された国家(一七九四~一八一五年)
  〇アメリカ合衆国の奴隷制維持とフランスの奴隷制復活
  〇解放奴隷をどうするか
 植民地の転換とイデオロギーの急変(一八一五~一八三〇年)
  〇奴隷制擁護派、リベラル派、一八二〇年の危機
  〇奴隷制廃止主義と新たな支配/所有者の国家

第9章 奴隷制から人種へ(一八三〇~一八五〇年)
 奴隷制からの脱却(一八三〇~一八四〇年)
 人種の科学(一八四〇~一八五〇年)
 「ニグロの虚構」から白人の虚構へ

第10章 新たな支配(一八五〇~一八八五年)
 奴隷制なき植民地労働の再編(一八五〇~一八七五年)
  〇アメリカにおける社会関係の転換の難しさ
  〇アフリカにおける新たな生産計画/白人の科学
 ベルリン会議(一八八五年)

第11章 人種の統治(一八八五~一九一五年)
 ネオプランテーション(一八八五~一九一〇年)
 人種政策
 白人優位の物語を強化する
 国家の退廃と純粋さの間にある国家身体

第12章 妄想、悪魔、民主主義(一九二〇~一九五〇年)
 第一次世界大戦後の人口調整
  〇都市――人種と近代化
  〇植民地
 一九三〇年代――人種主義者という群衆
  〇一九三〇年代に入る時期の二つの人種危機
  〇否認と熱狂の間で

結論 人種の策略
 「ニグロの虚構」
 「白人の虚構」
 人種を終わらせるために


 謝辞

 解説[中村隆之]
 原注
 参考文献

前書きなど

イントロダクション――ニグロと白人、言葉の歴史

 [原書の]書名には記されていないが、本書は西洋近代史における人種の位置づけを扱うものである。いったい、人種とは何だろうか。この問いが発せられたとたん、しばしば袋小路に追い込まれる。そもそも人種は存在するのか、一つの思想あるいは概念なのだろうか。科学的な仮説なのだろうか、それとも作り話にすぎないのだろうか。社会的な現実なのか、解剖学的に明白な事実なのか。フランスでは、人種の存在を認めることはすでに人種主義的態度であるといわれることが多い。言い方を変えれば、人種主義を伴わない人種はないから、人種という言葉の影響を止めるために、その言葉を使わないことにしようと考えたのだ。ところが、人種主義は人種という言葉なしでも存在するため、問題は解決しない。一九七〇年代、社会学者コレット・ギヨマンは、個人ではなく集団の性質を決定すること、明白か否かにかかわらず生物学的とみなされる属性に基づく差別によって支配することを人種主義と定義した。この定義は重要である。なぜなら、第一に人種主義の支配的性格、第二に、実際には生物学的性質やその可視性を超えて完全に作り上げられた人種主義の性質、という二つの要素を含んでいるからだ。人種主義が拠って立つところの属性(鼻、体毛、足指、血液型)がどうであろうと、人種主義は支配を支えるものなのだ。しかし、この定義は多くの別の疑問を浮上させる。その属性はあらゆる身体的、精神的特徴の同一視を指すのだろうか。赤毛の人への差別は人種主義なのか。身体的特徴ではなく宗教文化に関係するイスラム嫌悪は人種主義なのか。外国人嫌悪はどうなのか。あるいは、あらゆる種類の嫌悪は? そうした問いに、人文科学としての歴史学はある種の回答をもたらす。他者性(altérité)に基づいたあらゆる支配や排斥のうちで、人種に基づいたものは特殊だということだ。この支配は、世界のどんな地域にも、どんな時代にも、どんな社会にも存在する他者に対する優越感や暴力とは異なる。もちろん、排斥の対象とするために他者性を構築するという事実は、生物学的なものや自然なものとは何ら関係がないが、社会に広く普及した現象である。数あるそうした現象の表れのなかで、人をある人種に割り当てることは独特な手法をとっており、世界の西洋化という文脈の一環をなす。その手法を分析するために、人種というものの発生の年譜を調べてみることから始めることができるだろう。明確な定義がないなら、言葉の歴史から得られるヒントから出発し、その推移、語源、意味の変遷、使用法、そうした言葉が名づけたものに対する影響力を追っていくことは有益だろう。

 (…後略…)

著者プロフィール

オレリア・ミシェル  (オレリア ミシェル)  (

1975年生まれ。ブラック・アメリカを専門とする歴史家。パリ大学で准教授を務めるとともに、アフリカ・アメリカ・アジア世界社会科学研究所(CESSMA)の研究者。テレビの文化局「アルテ」で2018年に放映されたドキュメンタリー映画「奴隷制のルート(Les Routes de l'esclavage)」の脚本作成に参加。

児玉 しおり  (コダマ シオリ)  (

神戸市外国語大学英米学科、神戸大学文学部哲学科卒業。1989年に渡仏し、パリ第3大学現代仏文学修士課程修了。パリ郊外在住の翻訳家。訳書に『世界を分断する「壁」』(アレクサンドラ・ノヴォスロフ著、原書房)、『レアメタルの地政学』(ギヨーム・ピトロン著、原書房)などがある。

中村 隆之  (ナカムラ タカユキ)  (解説

早稲田大学准教授。東京外国語大学大学院博士課程修了。フランス語圏を中心とする環大西洋文学、広域アフリカ文化研究、批評と翻訳。著書に『野蛮の言説』(春陽堂書店)、『エドゥアール・グリッサン』(岩波書店)、『カリブ-世界論』(人文書院)、訳書に『ダヴィッド・ジョップ詩集』(夜光社)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。