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ほっかいどう先人探訪 読売新聞北海道支社編集部(編) - 柏艪舎
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ほっかいどう先人探訪 (ホッカイドウセンジンタンボウ) 北の歴史を彩った53人 (キタノレキシヲイロドッタゴジュウサンニン)

歴史・地理
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発行:柏艪舎
発売:星雲社
A5判
重さ 350g
192ページ
本文フルカラー
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-434-25449-9   COPY
ISBN 13
9784434254499   COPY
ISBN 10h
4-434-25449-9   COPY
ISBN 10
4434254499   COPY
出版者記号
434   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫僅少
書店発売日
登録日
2018年11月15日
最終更新日
2020年3月16日
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書評掲載情報

2019-01-13 読売新聞  朝刊
2019-01-11 読売新聞    北海道版
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紹介

北海道命名150年
北海道に、こんなすごい人がいたのか!
榎本武揚、内村鑑三、武田斐三郎、月形潔、関寛斎、高倉健、三浦綾子、石川啄木、砂澤ビッキ、知里幸恵、大鵬幸喜、ビクトル・スタルヒン、伴素彦、吉野勲など、歴史上の人物から人気作家にスポーツ選手、知られざる偉人までその人物像だけでなく、現代とのかかわりを一線の新聞記者が取材。
読売新聞北海道支社発刊60周年記念出版

目次

まえがき 3
文化・芸能 北海道の心を耕した人々
三浦 綾子 愛と罪問い続けた作家 10
高倉 健 「駅 STATION」「鉄道員」 13
石川 啄木 漂泊の歌人 足跡133首 16
砂澤 ビッキ 木に宿る 彫刻家の魂 19
伊福部 昭 映画「ゴジラ」の作曲家 22
知里 幸恵 ユーカラを日本語訳 25
木田 金次郎 「生れ出づる悩み」の画家 28
小林 多喜二 「蟹工船」で弱者を代弁 31
田本 研造 幕末・明治の北海道撮影 34

政治・行政 北海道を導いた人々
榎本 武揚 蝦夷独立目指した旧幕臣 38
島 義勇 札幌都市計画の原点 41
永山 武四郎 上川 屯田兵育ての父 44
松本 十郎 民衆思いの開拓判官 47
月形 潔 囚人率い挑んだ開拓 50
萱野 茂 アイヌ民族初の国会議員 53
五十嵐 広三 旭川市長から官房長官 56
大刀 豊 札幌市営地下鉄生みの親 59

開拓・農業 北海道を切り拓いた人々
中山 久蔵 寒冷地米作の先駆者 64
エドウィン・ダン 北海道酪農・競馬の父 67
伊達 保子 伊達開拓に尽くした姫君 70
黒沢 酉蔵 「健土健民」 雪印を創業 73
関 寛斎 開業医から陸別開拓へ 76
渡辺 カネ 帯広に私塾 開拓支える 79
川田 龍吉 純愛が生んだ男爵イモ 82

経済・技術 北海道を繁栄させた人々
竹鶴 政孝 ニッカウヰスキー創業者 86
若狭 函寿 「わかさいも」生みの親 89
松尾 政治 タレ開発 全国に羊食文化 92
浅原 久吉 「北一硝子」小樽の光に 95
栗林 五朔 海運王 登別発展に尽力 98
平野 弥十郎 札幌本道築いた請負人 101
広井 勇 近代土木の父 小樽港築く 104
武田 斐三郎 五稜郭を設計 多彩な才能 107
坂 市太郎 夕張炭鉱発見 炭都の祖 110

スポーツ 北海道を歓喜に沸かせた人々
大鵬 幸喜 優勝32回 昭和の大横綱 114
南部 忠平 三段跳びで五輪金メダル 117
スタルヒン プロ野球初の300勝投手 120
伴 素彦 五輪ジャンプ 飛躍へ扉 123
吉野 勲 妹背牛商バレー部の名将 126
久慈 次郎 日米野球 ルースと対戦 129
田中 利明 不屈の卓球世界王者 132

教育・研究 北海道を伸ばした人々
三松 正夫 昭和新山誕生に立ち会う 136
小泉 秀雄 大雪山愛した植物学者 139
中谷 宇吉郎 雪の結晶解き明かす 142
米村 喜男衛 オホーツク人の謎を追う 145
内村 鑑三 希代のキリスト教思想家 148
桂田 芳枝 数学者 北大初の女性教授 151

医療・福祉・環境 北海道に尽くした人々
荻野 吟子 日本の女性医師第1号 156
栗本 鋤雲 北海道初の官立病院創設 159
高橋 房次 白老コタンの赤ひげ先生 162
佐野 文子 旭川で廃娼運動に奮闘 165
前田 光子 自然を愛した阿寒の母 168
大川 春義 クマ撃ち名人 生涯102頭 171

番外編 北海道を名付けた男
松浦 武四郎 「北海道」の名付け親 176

あとがき 180
参考文献 182

前書きなど

【まえがき】
 秋晴れに誘われ、散策の足を伸ばして札幌市の藻岩山に登った。
 はるかに旭岳や石狩湾を望む山頂。眼下に「碁盤の目」の市街地が広がっている。
この北の都の建設構想が明治新政府のもとで練られたころ、一帯は多くが原生林だったという。それが人口二〇〇万に迫る、豪雪地帯では世界最大の都市に姿を変えている。
街を「一」からここまでつくり上げてきた先人たちの労苦を思う。
南方からやってきた農耕文化が津軽海峡を渡らず、長く不毛であり続けた一面の原野もまた、この一世紀半のうちに国内最大の食糧供給地域に生まれ変わった。
厳しい気候、泥炭や火山灰、重粘土のため耕作に適さない土壌。そうした過酷な条件に抗い、これだけの短期間でこれほどの変貌と発展を遂げた街づくり、地域づくりの例は、世界的にも稀有に違いない。
 この地が「北海道」と名づけられて150年の節目、読売新聞はその歴史を彩った人物のゆかりの地を訪ね、生涯を振り返る連載記事「先人探訪」を掲載してきた。
 東京での名声を投げ打ち、安月給の新天地で道路建設に尽くした土木請負人。寒冷地に不向きとされる稲作に挑み、数十年の曲折を重ねて広めた「道産米の祖」。結婚を許されず失意のうちに移り住んだ地で、相手女性との思い出の食物・ジャガイモの栽培に情熱を傾けた男爵。五十三人の物語を記者たちが紡いだ。
 本書は、読売新聞が一九五九年に北海道での発行を始めて六十年になるのを記念して、この連載をまとめたものだ。
 札幌の「生みの親」とされ、都市設計を手がけた開拓判官の島義勇(一八二二~七四)をとり上げた記事がある。
記者は、島を学ぶ授業を八時間にわたって受けた小学生らが「私たちはこれからもっといい町にできるようがんばります」と綴った感想文を紹介。「島をたたえるだけでなく、自分たちが札幌の未来を築いていくんだという自覚を感じさせる言葉が並んでいた」と記している。
 本書を手にし、同じように何らかの思いを新たにする読者がおられるとすれば、こんなにうれしいことはない。
 九月六日未明、最大震度7の揺れが北海道を襲った。胆振東部地震。大規模な斜面崩壊などで厚真町を中心に四十一人が犠牲になった。停電が道内全域に及ぶ「ブラックアウト」もあり、経済活動や暮らしが大きな打撃を被った。二か月が過ぎても、住居を奪われた人たちの避難生活は続き、道経済は観光客の激減などの影響から脱け出せないでいる。
 本書を通じて先人たちの生きざまに触れることが、被災を乗り越え、復興を進める勇気と力をためる助けになれば、このうえない。
 出版にあたって、記者たちに敬意を表し、取材をはじめさまざまな面でご協力をいただいた皆さまに心から感謝を申し上げたい。

二〇一八年十一月
読売新聞北海道支社長 西嶌一泰



【あとがき】
 日本列島本土を構成する四つの大きな島のうち、最も北にあるこの大地が「北海道」と名付けられてから、二〇一八年で百五十年を迎えました。この節目の年に、読売新聞は、北海道の歴史を彩った様々な人物を紹介する企画「先人探訪」を、一月一日から十月四日まで、足かけ十か月にわたって北海道版に連載しました。
 取り上げた人物は、箱館戦争を戦った榎本武揚ら歴史上の人物から、昭和の大横綱大鵬や小説家の三浦綾子ら、二十一世紀を生きるわれわれにもなじみのある方々まで計五十二人。その分野は、開拓・農業、政治・行政、経済・技術、文化・芸能、教育・研究、医療・福祉・環境、スポーツと多岐にわたります。本書では、それらに北海道の名付け親、松浦武四郎を含めて五十三人を紹介しました。
 この連載には、最初から大きな壁が立ちはだかっていました。人選です。この百五十年の間に活躍した北海道ゆかりの人物で、すでに鬼籍に入っている人、という条件でリストアップした結果、なんと四百人近くに達しました。
 これらの中から、時代、ジャンル、ゆかりの地域、知名度などを考慮しながらバランスよく五十人程度を選ばなければなりません。下調べの段階で、その業績や波乱に富んだ生涯を詳しく知るにつけ、落とすにしのびないと頭を悩ませる日々が続きました。なぜ、あの人が取り上げられていないのだ、というお叱りを受けるかもしれませんが、泣く泣く絞り込んだ結果であることをご理解いただければ幸いです。
 取材・執筆は北海道支社に所属する記者とカメラマンが担当しました。記事を書くにあたっては、記者は必ずゆかりの地を訪ねました。そこで、先人たちの事績をしのび、そこに降り積もった時間に身を浸しました。時間が変えたもの、変えなかったものを感じ取り、先人が残したものが今どう生きているのかをつづりました。その人となりや業績を解説するのを趣旨とする他の偉人伝と、本書が最も異なるのはその点です。
 豊富な写真も、先人たちが残したものだけでなく、先人の仕事を受け継ぐ意志や、遺産に学ぶ姿など、まさに「今」を切り取りました。写真を眺めているだけでも、先人たちへの親近感が湧いてくるのではないでしょうか。
 本書では、各人物を知る上で重要な場所について簡単なガイドと地図を添えました。読者の方々が、本書を手に、興味を持った人物ゆかりの地を訪ねていただくことを夢想しています。
 最後になりましたが、出版を快く引き受けてくださった柏艪舎の山本光伸代表取締役のほか、編集の労をおとりいただいた編集部の可知佳恵さん、営業部の白幡和美さんに深く感謝申し上げます。

 二〇一八年十一月
  読売新聞北海道支社専門委員 片岡正人

上記内容は本書刊行時のものです。