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奥歯を噛みしめる    詩がうまれるとき キム・ソヨン(著) - かたばみ書房
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奥歯を噛みしめる 詩がうまれるとき (オクバヲカミシメル シガウマレルトキ)
原書: 어금니 깨물기

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四六判
縦188mm 横128mm 厚さ14mm
重さ 300g
232ページ
並製
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-910904-01-6   COPY
ISBN 13
9784910904016   COPY
ISBN 10h
4-910904-01-8   COPY
ISBN 10
4910904018   COPY
出版者記号
910904   COPY
Cコード
C0097  
0:一般 0:単行本 97:外国文学小説
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2023年10月3日
最終更新日
2023年11月24日
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書評掲載情報

2024-04-06 すばる    5月号
評者: キム・ソヨン×文月悠光 対談
2024-02-24 図書新聞  3628号
評者: 奥間埜乃
2024-01-28 大分合同新聞
評者: 小池昌代
2024-01-28 熊本日日新聞
評者: 奥田直美
2024-01-12 図書新聞
評者: 斎藤佑史
2024-01-06 西日本新聞
評者: 田尻久子
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紹介

心の傷もわかりあえなさも、
すべてを詩にしたとき、母を愛せるようになった――。
この世の痛みの声に耳を澄ます詩人が、
母、父、心の傷、そして回復までを綴ったエッセイ集。

奥歯を噛みしめて耐えること、奥歯を噛みしめて愛すること。
何もできなかったあのころ。それは、詩のうまれゆく時間であった。
生きることそれ自体が、詩になる。
それは特別なことではなく、あなたの人生もまた詩なのだ。

寒さに震える心をそっと包み込む、かぎりなくあたたかな30篇のエッセイ。
キム・ソヨン「日本の読者へ」と、三角みづ紀(詩人)による応答エッセイを付す。

目次

日本の読者へ
はじめに


母を終えた母


口があるということ
慶州市千軍洞の敵産家屋
振り返らせる
歩いてそこへ行く
少し違うこと
懐中電灯を照らしながら歩いた夜
場所愛 topophilia
間隙の卑しさの中で
祈りをしばしやめること
私を煩わせる「無」
パンと彼女
失敗がきらめく
「積ん読」と「積ん読の対義語」
無能の人
あらゆる者の視点


儚い喜び


「途方もなさ」について
じたばたのつぎのステップ
音なき岩
皮膚を剥がす
奥歯を噛みしめる
わたしが詩人なら
楯突く時間
得る
二〇三〇年一月一日 火曜日 晴れ
明日は何をしようか
木の箸と木彫りの人形
平和であれ


二箱の手紙

応答 忘れないために、手放すために 三角みづ紀

監訳者あとがき たとえ奥歯はすりへろうとも

前書きなど

 ここに集められた数々の言葉は、何もできないと感じていた時間の中で書いたものだ。何かを守るために、ひとところにずっとうずくまっていた。しばしばうんざりして、すぐにぐちゃぐちゃになった。それでもわたしが守ろうとしてきたことを猛烈に守りたいと思った。バランスをとるためにしょっちゅう奥歯を噛みしめた。
 何もできなかった時間は、歯をくいしばり、いつにもまして一生懸命に生きた時間だったことが、ここに集められた文章を書くうちに分かってきた。耐える心が慈しむ心に変わりゆくことが分かった、とでも言おうか。遥か彼方にあるとしか思えなかった回復が、すぐそこに到着していたことも今は分かる。回復を渇望していた起伏のある時間を、この本の目次に余すところなく収めたかった。疲れた顔で寝入っても、うららかな朝が迎えられるように。晴れている、ただそれだけで疎外感を感じる日もあれば、ただ晴れているだけで感謝の気持ちが生まれる日もあるように。振り返ってみると、よくぞここまでやってきたと、少し嬉しくもある。このような儚い喜びが見知らぬあなたの背中にもすっと染みこんでいきますように。この本がどうかあなたをうしろからそっと抱きしめる、そんな気配となりますように。

版元から一言

『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン、2021)によって、キム・ソヨンは、静かながらも圧倒的な読者の支持を得ました。
この本は、2022年秋に韓国で出版されるや高い評価を受けたエッセイ集です。
母を介護するなかで綴られた本書には、母の歴史を聞こうとした矢先に、コロナ下で会えないまま、母を亡くしたことも書かれています。
母から受けた傷、母の傷、屋根裏にあった父の手紙、シンボルスカの詩との出会い……。
日常の中の痛みも、春という奇跡のような時間も、キム・ソヨンは詩にしていきます。
生きることそれ自体が、詩になる。
それは特別なことではなく、あなた自身の人生もまた詩なのだ。
だから、あなたの物語を聞かせて。
そんな声が聞こえてくる、30篇のエッセイ。
限りなくやさしくあたたかい、友だちのような1冊です。
同時期に刊行される詩集『数学者の朝』(クオン)と合わせて、キム・ソヨンの世界をお楽しみください。

著者プロフィール

キム・ソヨン  (キム ソヨン)  (

詩人。詩集に『数学者の朝』(クオン、2023)、『極まる』、『光たちの疲れが夜を引き寄せる』、『涙という骨』『 iへ』ほか。エッセイ集に『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン、2021、第8回日本翻訳大賞)、『心の辞典』ほか。露雀洪思容文学賞、現代文学賞、李陸史詩文学賞、現代詩作品賞などを受賞。

姜信子  (キョウノブコ)  (監訳

きょう・のぶこ/カン・シンジャ
作家。横浜生まれ。主な著書に『語りと祈り』、『はじまれ、ふたたび いのちの歌をめぐる旅』、『現代説経集』、『声 千年先に届くほどに』、『棄郷ノート』、山内明美との共著『忘却の野に春を想う』ほか多数。編書に、谺雄二『死ぬふりだけでやめとけや 谺雄二詩文集』、『金石範評論集Ⅰ 文学・言語論』、『金石範評論集Ⅱ 思想・歴史論』。訳書に、『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン、第8回日本翻訳大賞)、李清俊『あなたたちの天国』、ホ・ヨンソン『海女たち』(共訳)ほか。

奥歯翻訳委員会  (オクバホンヤクイインカイ)  (

李和静、佐藤里愛、申樹浩、田畑智子、永妻由香里、バーチ美和、ほとりさよ、松原佳澄
『詩人キム・ソヨン 一文字の辞典』(クオン)で第8回日本翻訳大賞を受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。