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全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年10月15日
- 書店発売日
- 2019年10月21日
- 登録日
- 2019年9月9日
- 最終更新日
- 2019年11月1日
紹介
西鶴がオレ様全開で描き尽くした歌舞伎若衆図鑑、遂にわかりやすい現代語で登場。
若衆(江戸のジャ○ーズJr.!?)に熱を入れすぎで、遂に西鶴本人も登場し、なんと脱ぎます(実話)。
本書の舞台は歌舞伎が演劇として確立する直前の激動の時代。
歌舞伎劇場は今とは全く違う、まさに小屋。
今でいえば、50人くらいが入る場末のストリップ小屋に200人くらいが雪崩れ込むような場所。
「いっそのこと殺してくれ」と、歌舞伎若衆の美しい目元に心射ぬかれた見物客たちが満ちて、
美しさに酔い痴れた観客が叫ぶような場所。
西鶴はそんな凄艶な世界を愛しすぎるゆえに
「この道すきものの我なれば」(歌舞伎に関してはほかの誰よりも通じている私なので)と、
遂に自ら作品中にさえ顔を出す始末。
この躍動感にあふれる世界で、西鶴が描き出したものは何か。
役者のファンブックの自主制作してしまう人や、敏腕プロデューサー等も登場、
現代の文化とも通じる、熱狂する心と、それを取り巻く人々を鮮やかに描写しています。
さまざまな愛の形をお楽しみ下さい!
前作『全訳 男色大鑑〈武士編〉』よりさらにパワーアップしてお届けします。
豪華漫画家陣[あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ]によるイラストを掲載。また「あなたの心が今、求めているのはどの若衆?」と題したYES・NOクイズでは好きな歌舞伎若衆を選べたり、「若衆10人のキャラ分析グラフ」で、純真無垢・手練れ・甘口・辛口で若衆のタイプがわかったりと、これまでと違った古典の読み方を提案しています。
加えてちゃんと勉強できるよう、注を充実させたほか、歌舞伎研究の大家によるコラム、楽しく読むための資料集も充実させました。
古典文学は、ここから学ぶと絶対楽しい! 推しの尊みがすぎる!
豪華漫画家陣の挿絵付きで、現代語訳は、若手中心の気鋭の研究者、佐藤智子、杉本紀子、染谷智幸、畑中千晶、濱口順一、浜田泰彦、早川由美、松村美奈。コラムに河合眞澄(大阪府立大学名誉教授)という最強布陣でお届けします。
目次
★あなたの心が今、求めているのはどの若衆?─衆門の十哲
★カラー口絵(あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ)
★若衆10人のキャラ分析グラフ
巻頭言 「殺じをれ!」のオレ様若衆図鑑(染谷智幸)
お読みになるまえに
こんな現代語訳を目指しました/こんな「目玉」があります
─全訳 男色大鑑〈歌舞伎若衆編〉開幕!─
巻5
1 涙の種は紙見世〈ラブストーリーは突然に〉
2 命乞ひは三津寺の八幡〈白梅の蕾のような若衆が、命と引き換えに示した真の情けとは〉
3 思ひの焼付は火打石売り〈どんな客でも手玉に取る最強若衆、創作に打ち込むファンを葬り去る〉9
4 江戸から尋ねて俄坊主〈恋も情けも葬り去る美僧〉
5 面影は乗掛の絵馬〈姿は変われど変わらぬ思い〉
巻6
1 情の大盃潰胆丸〈今生の別れに一度だけでもあなたの情けの淵に溺れたい〉
2 姿は連理の小桜〈猛きもののふも迷う若衆美、時間よ止まれ〉
3 言葉とがめは耳にかかる人様〈俺の好きな役者をなじった無礼者は、一刀両断だ!〉
4 忍びは男女の床違ひ〈都随一の女方も驚く、寝殿造りの秘め事〉
5 京へ見せいで残り多いもの〈高家の美姫、死霊となって人気役者をとり殺す〉
コラム 歌舞伎の「ほめことば」(河合眞澄)
巻7
1 蛍も夜は勤めの尻〈蛍のように身を焦がす……秘めた恋の行方は〉
2 女方もすなる土佐日記〈半弥はなぜ脇差を客に渡したのか 『歌舞伎若衆編』最大のミステリー〉
3 袖も通さぬ形見の衣〈衣装をすべて借金のかたに取られたら役者は死ぬしかない〉
4 恨みの数を打つたり年竹〈どんな乱暴者でもメロメロにする役者の媚態〉
5 素人絵に悪や金釘〈太夫の櫛より若衆の楊枝〉
巻8
1 声に色ある化物の一ふし〈京の涼み床は若・女こもごも悲喜こもごも〉
2 別れにつらき沙室の鶏〈とにかく目立ちたい! 愛情表現も派手な天狗若衆〉
3 執念は箱入の男〈色気づいた人形が愛する役者の名を呼んだ〉
4 小山の関守〈誰が何と言おうと、辰弥は最高だ!〉
5 心を染めし香の図は誰〈たとえ美女でも女は女 うっかり見たら目を洗え それが男の生きる道〉
解説1 西鶴の推し若衆ナンバーワン上村辰弥 (早川由美)
一 辰弥はよい子
二 時代の求める芸風とは
三 辰弥の生い立ち
四 西鶴の好み
解説2 若衆を知らずして歌舞伎を語るなかれ─歌舞伎の歴史と若衆─ (染谷智幸)
一 阿国歌舞伎は倒錯のオンパレード
二 受け継がれる歌舞伎のDNA
三 「女歌舞伎が禁止されて若衆歌舞伎が起こった」は誤り
四 若衆歌舞伎の源流は中世の稚児文化
五 モードとしての野郎帽子
六 『男色大鑑』後半は歌舞伎の激動期
七 『男色大鑑』登場の役者たちは、いつ活躍したのか
資料
歌舞伎役者(代表的)の活躍時期一覧
歌舞伎役者の役柄説明
当時の舞台はどんな構造?
西鶴当時の歌舞伎が体感できる! 京都図
西鶴当時の歌舞伎が体感できる! 大阪図
あとがき─若衆、それは寿命を延ばす薬(畑中千晶)
執筆者プロフィール
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。