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寺山修司の遺産 伊藤 徹(著/文 | 編集) - 堀之内出版
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寺山修司の遺産 21世紀のいま読み直す

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発行:堀之内出版
四六判
縦188mm 横127mm 厚さ21mm
280ページ
上製
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-909237-89-7   COPY
ISBN 13
9784909237897   COPY
ISBN 10h
4-909237-89-5   COPY
ISBN 10
4909237895   COPY
出版者記号
909237   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年7月24日
書店発売日
登録日
2023年2月1日
最終更新日
2023年7月20日
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書評掲載情報

2023-11-11 図書新聞  3614
評者: 高橋宏幸(舞台批評)
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紹介

寺山がこの世を去ってから40年──

社会状況は大きく変化してきたが、寺山が残したものは、いまもなお読み直され、多くの読者・観客を惹きつけている。

現代の問題意識と深くつながる、寺山の多岐にわたる活動に対して、思想、競馬、言語学、美術、デザイン、演劇、映像、政治をテーマに、各分野の筆者陣がそれぞれの問題意識で挑み、新たな魅力を発掘する画期的な論集。


【推 薦】 渡部泰明(国文学研究資料館館長)
そうか。いつまでもいかがわしさを失わないから、寺山修司は魅力的なのか。

目次

目次

はじめに
 伊藤 徹

第1章|演劇Ⅰ
虚構が「真実」になるとき――密室劇《阿片戦争》
 伊藤 徹

第1節 実験演劇としての密室劇
第2節 《阿片戦争》という出来事
第3節 虚構の「真実」と「時」


第2章|言 葉
居場所としての言葉――寺山修司の自分語と詩的表現
 澤田美恵子

第1節 定型詩との出会い
第2節 「自分語」という戦術
第3節 詩的表現の時空間


インタビュー
寺山修司と演劇・詩・方言・競馬
 佐々木英明


第3章|映 像
機械仕掛けの巫女殺し――「政治の季節」のテレビドキュメンタリーをめぐって
 青山太郎

第1節 成長期にあった六〇年代のテレビと寺山修司
第2節 「政治の季節」に生まれ育ったテレビドキュメンタリー
第3節 秩序を破る記録映像の力能
第3節 機械仕掛けの巫女を解体する
第5節 お茶の間という神殿


第4章|政 治
寺山修司の「幸福」の政治学
 荻野 雄

第1節 選挙と競馬と電子計算機
第2節 偶然の賜物としての幸福
第3節 幸福への賭けとしての政治的反抗
第4節 寺山修司と新左翼運動の諸局面


第5章|競 馬
寺山修司と競馬
 檜垣立哉

第1節 寺山修司における競馬
第2節 寺山のエクリチュール――生とともにある競馬
第3節 寺山の言葉・言葉の場所


第6章|デザイン
初期の天井棧敷のポスターを読む――劇との関係を中心に
 前川志織

第1節 混沌とした熱気をもつポスター群
第2節 初期の天井棧敷とポスター
第3節 劇の宣伝からの逸脱
第4節 大衆的図像の引用


コラム
あなたはいったい誰ですか?
 広瀬有紀


第7章|演劇Ⅱ
小劇場運動と「肉体」――寺山修司をめぐる文化的野心とともに
 若林雅哉

第1節 寺山修司を宙づりにしてみる
第2節 小劇場運動における肉体への回帰――芸(肉体)と演技(内容)の二極から
第3節 レッテル張りへの躊躇(1)――巨大劇団の忌避と〈異議申し立ての時代〉
第4節 レッテル張りへの躊躇(2)――「肉体」の覇権の諸相
第5節 あとから来た「小劇場運動」――蜷川幸雄による「歴史化」の戦略と文化的野心
第6節 事後の生


第8章|表 現
ナンセンスの時代と寺山修司
 平芳幸浩

第1節 寺山修司と「無意味」
第2節 六〇年代前衛における表現の様態
第3節 無意味から意味へ
第4節 言語遊戯としてのハナモゲラ
第5節 寺山修司にとってのナンセンス


おわりに
 檜垣立哉

前書きなど

 私たち筆者は、寺山の言葉とイメージを確固とした「真実」の表現とは捉えないのであり、したがってこれを集約し整理すれば、「宝物」が得られるといったような期待は抱いていない。それゆえここでの諸論考は、いずれも彼の言葉をなぞることを以って研究とは考えないものである。むろんそんなことは寺山に関してだけいえることではなく、ニーチェがいったように、どんな過去でも断罪に値するのであり、思考の可能性の束としての過去に対するには、ときとして矛盾し合う一つ一つを吟味しより分けて吸収する批判精神以外にはなく、それは現在の問題に自ら立ち向かうなかで育まれるものである。筆者はいずれも寺山を「専門」とするものではなく、自らの研究分野を別途温めてきたものである。以下に集められた論考は、執筆者が、そのフィールドでそれぞれ育んだ問題意識をもって寺山という遺産にぶつかっていった結果得られた火花のようなものであって、そうした対峙の姿勢をとることこそ、寺山に対して後に続く者が示すべきリスペクトなのだと私たちは考えるのである。
(「はじめに」より)

版元から一言

装丁・本文設計  木下 悠(YKD)
印刷・製本  中央精版印刷株式会社

著者プロフィール

伊藤 徹  (著/文 | 編集

伊藤徹
Toru Ito
京都工芸繊維大学教授
一九五七年、静岡県生まれ。
京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。
専門は、哲学・近代日本精神史。
著書に、『《時間》のかたち』(堀之内出版、二〇二〇年)、『芸術家たちの精神史』(ナカニシヤ出版、二〇一五年)など。

檜垣 立哉  (著/文 | 編集

檜垣立哉
Tatsuya Higaki
専修大学教授・大阪大学名誉教授
一九六四年、埼玉県生まれ。
東京大学人文科学研究科博士課程中退。博士(文学)。
フランスの現代思想を縦横無尽に駆使し生命論に挑む哲学者。
著書に、『生命と身体』(勁草書房、二〇二三年)、『日本近代思想論』(青土社、二〇二二年)など。

澤田 美恵子  (著/文

澤田美恵子
Mieko Sawada
京都工芸繊維大学大学院教授
一九六一年、京都市生まれ。
工芸評論家。大阪外国語大学大学院外国語学研究科修了。博士(言語文化学)。
著書に、『詩とモノを創る営み──わかりえなさを抱きしめる』(ナカニシヤ出版、二○二三年)、『やきものバイリンガルガイド JAPANESE POTTERY』(小学館、二〇二〇年)など。

青山 太郎  (著/文

青山太郎
Taro Aoyama
名古屋文理大学准教授
一九八七年、愛知県生まれ。
京都工芸繊維大学大学院工芸科学研究科博士後期課程
単位修得退学。博士(学術)。今日のメディア環境における映像制作の美学と倫理学のあり方を探求している。
著書に、『中動態の映像学』(堀之内出版、二〇二二年)。

荻野 雄  (著/文

荻野雄
Takeshi Ogino
京都教育大学教授
一九六七年、北海道生まれ。
政治思想史研究者。京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了。修士(法学)。
専門はドイツ政治思想史。
共著に、Simmel-Handbuch Leben-Werk-Wirkung(J.B.Metzler、二〇二一年)、『作ることの日本近代──一九一〇‐一九四〇年代の精神史』(世界思想社、二〇一〇年)など。

前川 志織  (著/文

前川志織
Shiori Maekawa
京都芸術大学専任講師
一九七六年生まれ。
専門は、日本近代美術史、広告デザイン史。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程退学。博士(芸術学)。
編著に、『〈キャラクター〉の大衆文化 伝承・芸能・世界』(KADOKAWA、二〇二一年)、『博覧会絵はがきとその時代』(青弓社、二〇一六年)など。

若林 雅哉  (著/文

若林雅哉
Masaya Wakabayashi
関西大学教授
一九六九年、千葉県生まれ。
芸術学研究者。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
専門は翻案理論、舞台芸術論。
主要論文に「明治四十二年の理想主義者──小山内薫の「女形」採用と女優をめぐる時代状況」(関西大学出版部、『豊穣なる明治』、二〇一二年)など。

平芳 幸浩  (著/文

平芳幸浩
Yukihiro Hirayoshi
京都工芸繊維大学教授
一九六七年、大阪府生まれ。
美術史研究者。
京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
専門は近現代美術。
著書に、『日本現代美術とマルセル・デュシャン』(思文閣出版、二〇二一年)、『マルセル・デュシャンとは何か』(河出書房新社、二〇一八年)など。

佐々木 英明  (著/文

佐々木英明
Eimei Sasaki
詩人・三沢市寺山修司記念館館長
一九四八年、青森県生まれ。
高校卒業後、寺山修司が主宰する演劇実験室「天井棧敷」に参加し、舞台《書を捨てよ、町へ出よう》、《邪宗門》、《阿片戦争》などに出演。
映画《書を捨てよ町へ出よう》(一九七一年)で主演。一九八七年に帰郷した後は、詩作を中心に活動。
二〇一二年より三沢市寺山修司記念館館長。
詩集に、『愛について』(一九九三年)、『心を閉ざす』(一九九六年)。

広瀬 有紀  (著/文

三沢市寺山修司記念館学芸員

上記内容は本書刊行時のものです。