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外資系アナリストが本当に使っているファンダメンタル分析の手法と実例
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年7月
- 書店発売日
- 2017年7月4日
- 登録日
- 2017年5月25日
- 最終更新日
- 2024年4月8日
重版情報
2刷 | 出来予定日: 2017-07-18 |
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紹介
個人投資家向けに紹介するには難易度の高かったファンダメンタル分析の手法を、現役・外資系運用会社アナリストの著者が、ケーススタディを通して徹底解説。
実在の企業を取り上げて、著者がスクリーニングからバリュエーションまでの全てのプロセスを公開しているので、プロの株式分析手法が手に取るようにわかります。
・徹底的な企業分析で、誰も気づかなかった優良株を発掘できる
・5年後を見据えた長期視点の株式投資だから、リターンの大きさが全然違う
・ファイナンス理論との整合性の高いファンダメンタル分析で本格的な分析が可能
など、投資のプロ集団である運用会社アナリストの投資手法を学ぶことで、今までの投資とは一味違う、ワンランク上の株式投資スキルを身につけることができます。
また、株式投資に関する書籍には珍しい以下の2点も特徴です。
・練習問題つき:本書で学んだ分析手法をすぐに実践できるよう、著者の解説つきの練習問題を掲載
・エクセルダウンロードつき:バリュエーションの際の数値入力にそのまま使えるので便利
読んだ後に、すぐ実践できる仕組みがあるので、本格的に株式投資をしたい個人投資家や、株式分析・企業分析に興味のあるビジネスマンにおすすめです。
今まで明かされることのなかった、プロの株式分析手法をまるごと詰め込んだ1冊です。
目次
まえがき
第1部 株式分析とは
1章.なぜ株式分析をすべきなのか
1-1 ファンダメンタル分析に必要な視点
1-2 証券アナリストとは
1-3 株式分析のプロセス
コラム : バイサイドアナリストのとある一日
2章. 株式投資とは
2-1 株式投資の大前提
2-2 株式投資と融資の違い
コラム:会社は誰のものか
第2部 株式分析の理論
3章. 株式の価値とは何か
3-1 お好み焼き店の価値はいくら?
3-2 現在価値と将来価値
コラム : 安全利子率は何%?
コラム : 株主資本コストとCAPM理論
3-3 株式の本質的価値
コラム : 損益計算書だけで分析可能なDDM
3-4 DDM(配当割引モデル)
4章. DDMとPERによる株式分析
4-1 DDMの実践
コラム:サステイナブル成長率
コラム:等比数例の公式を使った展開
コラム: 株主資本コストと永久成長率の関係
4-2 DDMとPERによる株式分析方法
コラム : 一定成長モデルとPER
コラム : トータルリターンの分解
4-3 PERの水準感
コラム : その他の投資尺度
コラム : 年平均成長率とは?
第3部 株式分析の実践
5章. 株式評価の調査プロセス
5-1 調査対象企業の選定
5-2 事前調査
5-3 取材活動の実態
コラム : スチュワードシップコードの影響
6章. 業績予想の作成
6-1 業績予想の作成手順
6-2 作成手順①ビジネスモデルの確認
6-3 作成手順②企業の歴史と過去業績の確認
6-4 作成手順③事業セグメントの確認
コラム: 利益率が低くても必要な事業?!
6-5 作成手順④利益構造の分析
6-6 作成手順⑤将来の事業環境の想定
6-7 作成手順⑥売上・利益の予想
7章. 株式投資におけるバリュエーション
7-1 DDMとPERによるバリュエーション
7-2 バリュエーションに使うPERの目安
7-3 バリュエーションの実例
コラム : 永久成長率によるバリュエーション
8章. 株式分析をしてみよう
問題1. ビジネスモデルを確認しよう
問題2. 歴史と過去の業績推移を確認しよう
問題3. 主要事業以外の事業の動向も見てみよう
問題4. 利益構造を理解しよう
問題5. 将来の事業環境を予想しよう
問題6. 業績予想を作成しよう
問題7. 株式評価をしてみよう
Appendix現金/預金の取り扱い
おわりに
参考文献
前書きなど
本書は、運用会社のアナリストである私たちが、株式投資の実務経験を踏まえて、個人投資家向けに株式投資におけるファンダメンタル分析の方法を紹介するものです。実際の企業の事例を用いて、ファンダメンタル投資の考え方を基本から説明しています。しかし、入門書にありがちな“容易な言葉”を使うことを名目に、エッセンスまで割愛するようなことはしておりません。ファンダメンタル分析のエッセンスをしっかりと盛り込みつつ、理論と実践のバランスを考えて、実際に個人投資家の方が活用できる内容にしています。理論においては少し内容が専門的になる部分もありますが、初心者の方にもわかりやすいように、必要最低限の項目に絞っています。
株式市場は、個人投資家をはじめ、銀行、ファンド、外国人投資家等の様々な投資家が参加する市場です。参加者が多様なだけではなく、市場の分析方法も多様で、必ずしも1つの決まった方法があるわけではありません。実際に書店に行くと、多くの株式投資に関連する書籍が並んでいます。本書の目的は、どの方法が正しい、間違っていると言うことではありません。私たちも、株式市場は多様であるからこそ“面白い”と思っています。しかしながら、書店に並ぶ書籍を見る限り、ファンダメンタル分析を専門とする株式アナリスト/ファンドマネージャーが実際にどのように株式を分析しているか、ということについて詳細に書いた入門書はほとんど見当たりません。その意味で、本書は1つの参考になると思います。
ファンダメンタル分析とは、企業の実際の経済活動を丹念に分析し、その株式価値を評価する分析手法です。これは、株価の動きだけを見るテクニカル分析と対極にあるものです。個人投資家の方の中には、株価の動きだけを見て投資をされている方や、特に分析をせずに思いつきや勘で投資をされている方もいらっしゃると思います。
しかし、企業の経営者は夢を持って事業経営をしており、従業員は家族や社会に対して様々な思いを持って汗をかきながら日々の業務を行っています。そして、企業の保有する技術やネットワークは、企業に関わってきた全員が作り上げた財産(資産)です。
株式分析とは、その企業に関わってきた一人ひとりの思いや資産の価値を、将来のキャッシュフロー(もしくは利益)を通して、株価というたった1つの数字に集約していく挑戦です。別の言い方をすると、ファンダメンタル分析とは、単なる株価の分析ではなく、その企業の中で働く人たちの思いを丹念にあぶり出すことであると思っています。基本的に、私たち証券アナリストは冷静に企業を分析することに徹していますが、一方で企業の夢を共有できる時ほど、わくわくする時はありません。それこそが、株式投資の醍醐味であると思っています。本書を通して、その醍醐味を少しでも感じていただけましたら幸いです。
2017年3月
高田 裕
上記内容は本書刊行時のものです。