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ブラックバイト 増補版 大内裕和(著/文) - 堀之内出版
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ブラックバイト 増補版 体育会系経済が日本を滅ぼす

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発行:堀之内出版
四六判
316ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-906708-73-4   COPY
ISBN 13
9784906708734   COPY
ISBN 10h
4-906708-73-0   COPY
ISBN 10
4906708730   COPY
出版者記号
906708   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
絶版
初版年月日
2017年3月
書店発売日
登録日
2017年2月2日
最終更新日
2020年3月23日
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書評掲載情報

2017-06-10 POSSE(ポッセ)  35
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重版情報

2刷 出来予定日: 2017-07-01
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紹介

ブラックなことに慣れたら危険!
おかしいことはおかしい。
精緻な分析と対応法をまとめた学生、親、教育関係者必読の「ブラックバイト」を知る決定版の1冊。 2015年以降の改善事例など収録の第10章を追加した増補版です。

目次

はじめに 003

第1章 ブラックバイトの被害実態 013
大手アパレル店 014
すき家 023
大手一〇〇円ショップ 032
大手コンビニエンスストア 041
第2章 ブラックバイトのパターン 057
A 職場への過剰な組み込み 060
B 最大限安く働かせる 070
C「職場の論理」に従属させる人格的支配 077
第3章 全国アルバイト学生調査結果 083
全国的な問題の広がり 084
労働時間 085
シフトの一方的な増減 090
アルバイト先での不当な扱い 094
経済的な事情 100
第4章 ブラックバイトを生み出す日本の貧困 103
急激に上昇した大学の学費 104
九〇年代後半から大幅に減少した親の年収 107
急増する奨学金受給─ブラックバイトを助長する奨学金制度 109
企業社会統合と教育をめぐる脆弱性 113
日本社会に広がった「私費負担」当然視の感覚 115
「努力主義」がもたらした弊害 117
ヨーロッパとの差異─スキルと資格による「能力証明」 119
アメリカとの差異─私立セクターが異常に大きい日本 121
「貧困ビジネス」と化した奨学金制度 123
経済と教育と個人の関係の構造変動―「債権」にされていく学生 126
「ブラック国家」の構図がブラックバイトを生み出す 128
「親負担による私費負担」と「生まれによる差別」─奨学金が不公正を増幅する 130
第5章 ブラックバイトと教育の変化 133
大学からアルバイトへ─変容する学生の「帰属意識」 134
「やりがい」の付与と「仲間意識」の形成─アルバイトへの帰属を支えるもの 137
教育内容が「空洞化」した戦後教育 139
教職員組合の問題 142
「空洞化による職業準備」、機能不全に陥る教育 143
大学のビジネス化 145
「キャリア教育」に傾倒する大学 147 
「キャリア教育」の恐ろしさ─大学四年間はすべて「就活」のため?! 148
大学教育を蝕み、批判能力を奪う「キャリア教育」 151
中身のない「キャリア教育」からブラックバイトへ 153
「頑張り方」の分からない教育が、学生をブラックバイトに駆り立てる 155
第6章 ブラックバイトと労働の変化 159
ブラックバイトと労働社会の変化 161
「非正規」が「非正規」でいられない時代 178
対立軸が変容する「職場」 190
第7章 ブラックバイトの弊害と定義 197
労働力再生産への弊害と産業の衰退 198
「ブラック企業」への馴致 200
消費者にとっての弊害 202
「ブラック国家」 203
ブラックバイトの定義 206
なぜブラックバイトを学生に限定するのか 208
第8章 ブラックバイトと労働法 211
パターンごとの法律問題 214
解決方法 232
業界全体の改善へ 252
ブラックバイトをなくすための政策 254
第9章 ブラックバイトに立ち向かうユニオン・支援者集団 259
ブラックバイトユニオンの結成 260
全国に広がる学生ユニオンの動き 265
専門家による支援のネットワーク 274
第10章 二〇一五年以降の新たな展望 285
二〇一五年からのポジティブな変化 286
親の干渉 288
学生のあげた成果 296
ブラック部活とのつながり 299
ブラックバイトの論点 302
体育会系経済が日本を滅ぼす 306
これからの取り組み 309

おわりに 312

執筆分担 大内裕和(四、五章)、今野晴貴(一、二、六、七、八、九章)、共同執筆(三章、十章)

前書きなど

 せっかく将来に向けた基礎能力を高めることができる貴重な機会である学生時代が、ただ劣悪なブラック労働に独占されるという事態は、社会全体にとって大きな損失でもある。
 そして、このブラックバイト発生の背景には、個々の経営者の問題以上の根深い構造があった。日本社会全体の貧困化、社会保障の不備、見えない「能力」の基準と就職活動……。ブラックバイトは行き詰まった日本の労働社会の象徴のような問題である。
 ブラックバイトは「学生」の問題ではあるが、彼らだけを「当事者」にしていたのでは、解決することができない。
 言葉を変えるならば、ブラックバイト問題に直面しているのは、学校の教員であり、学生の親たちであり、周囲の友人である。あるいは産業界も無関係ではいられない。私たちはこの問題の解決のために、ともに動き出さなければならないのだ。
(今野晴貴「おわりに」より)

著者プロフィール

大内裕和  (オオウチヒロカズ)  (著/文

中京大学国際教養学部教授。1967年神奈川県生まれ。専門は教育学・教育社会学。東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。著書に『奨学金が日本を滅ぼす』(朝日新書、2017年)、『ブラックバイトに騙されるな!』(集英社、2016年)など。

今野晴貴  (コンノハルキ)  (著/文

NPO法人POSSE代表。1983年宮城県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程。著書に『ブラック企業─日本を食いつぶす妖怪』(文春新書、二〇一二年)、『求人詐欺』(幻冬舎新書、二〇一六年)など。受賞歴に第一三回大佛次郎論壇賞、二〇一四年度、日本労働社会学会奨励賞受賞など。

上記内容は本書刊行時のものです。